がんとつきあう/骨髄抑制がん治療と骨髄抑制

骨髄抑制とは?

がん治療の主なものに、抗がん剤(化学療法や分子標的薬)治療や放射線治療があります。これらの治療では、がん細胞だけではなく、骨髄を含め、健康な細胞にもダメージを受けます。

骨髄は骨の中心にある組織で、白血球・赤血球・血小板などの血液の成分をつくっています。骨髄にある細胞が、がん治療でダメージを受けると、これらの血液成分をつくり出す働きが正常に機能しなくなります。この副作用のことを骨髄抑制といいます。

骨髄抑制は多くの抗がん剤(化学療法や分子標的薬)治療で見られる副作用です。化学療法は、分裂・増殖の盛んながん細胞に働きかける作用が強く、同じように分裂・増殖の盛んな骨髄の細胞にも影響を及ぼします。

分子標的薬は、種類によって作用が異なり、中には骨髄抑制を生じるタイプのものがあります。放射線治療では、放射線の当てられる部位や照射量によって、一時的に骨髄抑制が見られることがあります。

骨髄抑制によって生じる症状は、どの血液成分がダメージを受けたかによっても異なります。吐き気・嘔吐や、見た目にもはっきりと症状が現れる脱毛などの副作用とは異なり、自分では症状を自覚しづらい点に注意が必要です。

骨髄抑制のGrade分類

表:骨髄抑制のグレード分類。Grade1は白血球3000未満、ヘモグロビン10グラムデシリットル未満、好中球1500未満、血小板75000未満。Grade2は白血球3000から2000、ヘモグロビン10から8グラムデシリットル、好中球1500から1000、血小板75000から50000。Grade
3は白血球2000から1000、ヘモグロビン8から6.5グラムデシリットル、好中球1000から500、血小板50000から25000。Grade4は白血球1000未満、ヘモグロビン6.5グラムデシリットル未満、好中球500未満、血小板25000未満。Grade5は全て死亡。

LLN : lower limit of normal(基準範囲下限)

例として4項目を挙げたが、他の事象でも同様に決まっている。

Grade1: 軽度の有害事象で、治療を要しない。
Grade2: 中等度の有害事象、最小限の治療、局所治療、非侵襲的治療を要す。
Grade3: 高度の有害事象、入院や侵襲的治療、輸血、手術などを要す。
Grade4: 生命を脅かす、または集中治療や緊急処置を要する事象。
Grade5: 有害事象による死亡。

【出典】「副作用のGrade分類」北海道医療大学がん予防研究所 小林正伸先生

骨髄抑制は、グレード1~5に分類することができます。グレード1では、骨髄抑制のための治療を必要としませんが、グレード2以上になると治療を要することもあります。

重い症状が認められる場合は、医療スタッフに相談しましょう。定期的な血液検査を行うことで、骨髄抑制の症状が現れていないか気を付けておくことも大切です。

【監修】埼玉医科大学国際医療センター 乳腺腫瘍科 教授 佐伯俊昭 先生

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