がんとつきあう口内炎の口腔ケアに関する注意点

口内炎と予防の重要性

口内炎は歯肉、舌、口唇、口角など、口腔粘膜のある部分に炎症がおきたものをいいます。がん化学療法時の約30~40%に出現するといわれています。

口内炎は疼痛を伴い、食べる量が減り、コミュニケーションの機能が下がり、QOL低下につながります。また、患者様の闘病意欲を減退させ、治療の継続に悪影響を及ぼすこともあり、できるだけ予防をしたほうがよいでしょう。

口内炎になりやすい人とは

化学療法を受ける前から、歯や歯肉の衛生状態が不良(う歯、歯肉炎、義歯が合わないなど)、口腔内の清潔習慣、免疫能の低下(糖尿病の合併症、ステロイドの使用)、ビタミン欠乏症などがある人が、口内炎になりやすいといえます。

また、喫煙者、頻繁に飲酒の習慣がある人も、化学療法中に口内炎を発症しやすい可能性があるので、注意しましょう。

口内炎になりやすい場合の対処法

化学療法が開始される前に歯科医師を受診して、詳細な口腔内診査を受けましょう。化学療法が開始される前であれば、どのような治療を受けても構いません。なお、治療中の飲酒や喫煙は避けたほうがよいでしょう。

重度の口内炎になった場合

痛みを取り除くために

口内炎の明らかな原因がある場合はとりのぞきましょう。全身治療や、虫歯、入れ歯などの局所治療を行うことも重要です。

痛みをとるための対症療法として、消炎、消毒を薬効とするうがい薬によるうがいの後にステロイドの軟膏や貼付錠を使用方法もよいでしょう。ただし、カンジタ菌やウイルスによる口内炎もあるので、まずは、担当医に自分の症状を伝えてください。担当医から不快感を治療するための薬剤を処方してもらうことが、痛みを最小限に抑える治療法のひとつです。

口腔ケアの用具

歯ブラシは、ヘッドが小さ目で毛のやわらかいものは粘膜に傷がつきにくいが、汚れもつきやすいのでこまめにゆすぎながら使用しましょう。

綿棒やスポンジブラシなどの補助清掃用具を使用してもいいでしょう。ですが、化学療法などで白血球が低く出血傾向のある患者さんは使用を控えたほうがよいでしょう。

歯磨き剤は刺激になるので避けましょう。

口腔ケアの手順と注意点

ケアの手順は口角びらんがある場合は、口角にワセリンなどの軟膏塗布し、口腔内を湿めらせ、軽くブラシングし、うがいし、口腔清拭後に軟膏を塗布する順番で行うのがよいでしょう。

口角びらんがあるときは、大きく開口させると裂けて出血することがあるため注意しましょう。ブラシングはあまり力を入れずにヘッドを細かく動かすのがよいでしょう。汚れは歯頚部や歯間部、義歯装具者は義歯のばねに歯垢がたまりやすいので、補助清掃具を使用して清潔にしましょう。口内炎が強く無理な場合は、刺激のないぬるま湯などでうがいするだけでもよいでしょう。

義歯や取り外し可能な矯正装置を使用している場合の口腔ケア

義歯や矯正器具はいずれも定期的に取り外す必要があります。取り外したら、歯肉を徹底的に洗浄し、義歯や矯正器具は十分にばねの部分をブラシで磨みがきよく洗ってから取り付けるよう、注意しましょう。

市販の洗口液の使用

口内炎などの炎症による不快感を、市販の洗口液で取り除こうとしても、まず役立つことはないでしょう。ほとんどの市販洗口液には、油分、収れん剤(皮膚または粘膜組織のタンパク質を沈殿させる薬剤)および消毒剤が含まれており、それらが刺激や発赤(はっせき)を引き起こしたり、かえって症状を悪化させたりするおそれがあります。

市販の洗口液は、化学療法を受けていて、かつ以下に該当する場合のみ使用してください。また、使用する時は必ず医師の確認をとってください。

  • 口腔粘膜に異常がない
  • 過去2週間以内に粘膜に影響を及ぼす化学療法剤の投与を受けていない
  • 血球数が正常である
  • 頭部または頸部に対する放射線療法を受けたことがない

【監修】聖路加国際病院 緩和ケア病棟 ブレストセンター オンコロジーセンター ナースマネージャー 玉橋容子氏

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