がんとつきあう/吐き気・嘔吐吐き気(はきけ)・嘔吐(おうと)の原因

がんに伴う吐き気・嘔吐の原因には、次のようなものが挙げられます。

抗がん剤(化学療法や分子標的薬)

吐き気・嘔吐を引き起こす原因としてよく知られているのが抗がん剤(化学療法や分子標的薬)によるがん治療です。抗がん剤(化学療法や分子標的薬)によって脳の嘔吐中枢が刺激を受けることで、吐き気・嘔吐を生じます。

抗がん剤(化学療法や分子標的薬)による吐き気・嘔吐では、投薬直後に突然吐いてしまう、動くと吐いてしまう、乗り物に乗ると吐き気がするなどの症状が見られることもあります。

吐き気・嘔吐の症状が現れる時期

抗がん剤(化学療法や分子標的薬)による吐き気・嘔吐は、症状が現れる時期によって3つに分けられます。

  • 急性悪心(おしん)・嘔吐
    抗がん剤(化学療法や分子標的薬)開始後、数時間以内に現れ、24時間以内(もっとも強く症状が現れるのは5~6時間後)に症状がなくなります。
  • 持続性あるいは遅発性悪心・嘔吐
    抗がん剤(化学療法や分子標的薬)を投与したあと、24時間以降に現れて、2~7日間続きます。
  • 予期性(心因性)悪心・嘔吐
    以前に抗がん剤(化学療法や分子標的薬)治療を受け、強い吐き気・嘔吐を経験した患者が、次に治療を受ける際、治療を開始する前からもよおす吐き気・嘔吐です。

放射線療法

放射線治療によって壊された体内の細胞の成分が、血液や神経を通じて、嘔吐中枢を刺激することによって、吐き気・嘔吐が生じます。

精神的要因

治療に伴う緊張や不安、不快なにおい・音・味覚など精神的・心理的なことが引き金となって、吐き気・嘔吐が生じることがあります。これらの因子が大脳皮質を介して嘔吐中枢を刺激することで起こります。条件反射化がされやすいため、注意を要します。個人差が強いのも特徴です。さらに、治療そのものによる嘔吐を強める原因にもなります。

治療開始前に、吐き気・嘔吐を生じやすい体質・要因をチェックしておくことも大切です。
チェック項目には下記のようなものが挙げられます。

  • 若年である
  • 女性である
  • 副作用に対する不安が強い
  • 前の治療で強い吐き気があった
  • 乗り物酔いをしやすい
  • 妊娠時につわりがひどかった
  • モルヒネなど併用している薬剤の有無
  • アルコールの常用の有無 など

吐き気・嘔吐は、治療の副作用はもとより精神的要因も大きな影響を与えることから、治療の前から予防・対策をしていくという視点も求められています。また、実際に吐き気・嘔吐を感じたら、医療スタッフに相談して、症状を和らげることが重要です。

【監修】和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 山本信之先生

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