サ行 がん用語集

がんについて耳にするいくつかの専門用語を集めています。
五十音順で探すことができます。

在宅ケア ( ざいたくケア )

住み慣れた自宅で治療を受けながら生活すること。慣れ親しんだ地域で、家族とともに過ごしながら治療や緩和ケアを受けたいというニーズが高まっています。さまざまなアンケート調査でも、日本人の約半数が、がんの終末期を慣れ親しんだ自宅や地域で過ごすことを望んでいるという結果が報告されています。
近年、在宅ケアが推進され、介護保険の導入もあり、がん患者も訪問介護やデイケアなどを利用できるようになりました(40歳以上の末期がん患者の在宅療養には、調査の後、介護保険が適用になります)。ただし、スタッフや施設数が十分でないことや地域格差など、課題も少なくありません。

再燃 ( さいねん )

再燃とは、病気が完全に治ったわけではなく(治療中)、病状・症状がいったん治まった後に同じような病状・症状があらわれることです。

再発 ( さいはつ )

再発とは、病気が治まった後に再び同じ病気が起こってくること。がんの場合、手術などによって治癒した後、同じところに同じ種類のがんがあらわれた場合、再発がんといいます。他の臓器や組織にあらわれるのは転移といい、たとえば肝臓に転移した場合は「転移性肝臓がん」といいます。
病気が短期間であらわれることを再燃ということもありますが、がんは2~3ヵ月で再発するケースもあり、再燃と再発の区別が明確にしにくい病気です。

細胞診検査 ( さいぼうしんけんさ )

がんが疑われる部位の細胞を採取して、がんの有無や悪性・良性の度合いなどをみる検査です。病理検査のひとつで、がんと判断できる細胞がひとつでもあると「がん」と診断されます。ただし、細胞診より生体組織から調べる「組織診検査」の方が診断能力は高く、最終的ながんの診断は生検によって確定します。

三大療法 ( さんだいりょうほう )

現在、日本でのがん治療の主流「手術療法」「化学療法(抗がん剤など)」「放射線療法」を三大療法といいます。一般的には、「手術をしたうえで化学療法を行う」など、複数の治療方法を組み合わせた集学的治療を行うことが多くなっています。

CT検査 ( シーティーけんさ )

「Computed Tomgraphy」の略で、X線を使って体の断面図を画像化するコンピュータ断層撮影検査のことです。病気の診断や進行状態を見るために行う検査で、とくに肺や肝臓などのがんの診断に有用といわれています。3次元の立体画像が得られる「ヘリカルCT検査」が登場し、肺がんの生存率を向上させるのではないかと期待されています。

自覚症状 ( じかくしょうじょう )

その人自身が自分の身体に異常を感じる症状。違和感や不快感、不安感なども含まれるため、検査などでは確認できないものもあります。一方、検査や画像などで客観的に確認できる症状は他覚所見といいます。がん特有の症状というわけではありませんが、しこりや腫れ、出血や痛みなどの症状があるときは受診・検査をした方が良いでしょう。

支持療法 ( しじりょうほう )

抗がん剤治療による副作用の対策で、副作用を抑制したり改善するために行うこと。たとえば、代表的な副作用の吐き気には吐き気を止める薬、感染に対しては抗生物質などが用いられます。

集学的治療 ( しゅうがくてきちりょう )

手術をしたうえで抗がん剤治療や放射線療法を行うなど、いくつかの異なる治療方法を組み合わせて行う総合的な治療のことです。進行がんの場合、単独の治療ではその効果に限界があり、複数の治療を併用することで治療効果を上げることをめざします。なお、集学的治療を行うときは、さまざまな医療スタッフによって治療・ケアをする「チーム医療」がとられます。

手術療法 ( しゅじゅつりょうほう )

患部に対して、メスまたはそれに準じた手段を用いて切除や摘出などの手術を行うことです。手術療法は、根治をめざして行われます。早期がんの多くは、内視鏡切除、縮小手術、定型手術などの切除によって治します。

術後補助療法 ( じゅつごほじょりょうほう )

手術後に起こる転移や再発の予防のために行う補完的な療法です。たとえ、がんの根絶をめざして根治手術をしても、目に見えないがん細胞が残っている可能性もあります。そこで、手術後に抗がん剤を使ったり、ホルモン療法や放射線療法を行います。乳がんや大腸がんなどは、術後の抗がん剤の治療効果が確認されています。

腫瘍 ( しゅよう )

細胞が異常に増殖してかたまりになったもの。周囲を壊しながら他の臓器に広がったり、転移したりする「悪性腫瘍」と、その場だけにとどまる「良性腫瘍」があり、悪性腫瘍のことをがんといいます。良性の場合、通常、転移する心配はなく放っておいて良いのですが、脳にできる腫瘍は良性でも手術が必要です。
腫瘍というと「がん」だと思ったり、「良性腫瘍でもいずれがんになる」、または「絶対がんにならない」などと誤解される方も多いようです。

腫瘍マーカー ( しゅようマーカー )

がん細胞などによって刺激を受けた組織が特別に作り出す物質(主にたんぱく質、がん遺伝子も含まれます)のことで、がんがあるかどうか、がんの大きさや広がりの変化を知る目安となります。
腫瘍マーカーは検査に使う試薬と思ったり、正常値だからがんが治った、数値が高いからがんが進行しているなどという誤解が少なくありません。腫瘍マーカーは個人差があり、がん以外の病気でも高くなることがあります。

食前服用 ( しょくぜんふくよう )

薬を飲むときの用法で、食事をする30分から1時間前に薬を飲むこと。胃に食物があると十分に吸収されないなど、薬の効果をふまえての飲み方です。

食間服用 ( しょっかんふくよう )

食前服用と同様、薬を飲むときの用法で、食事と食事の間、通常食事のあと2時間ほど経って飲むことをいいます。食事の間、ちょうど中間で飲むことではありません。

神経ブロック ( しんけいブロック )

がんによる痛み、また手術後の痛みを取り除く治療のこと。がん患者の多くは、身体の2カ所以上にがんに伴う痛み(疼痛、がん性疼痛)を感じるため、がんの痛み対策として全身におよぶ鎮痛治療を行います。ただ、局所的に痛みがある場合は、局所に麻酔薬を注入したり、外部から鎮痛薬をチューブで注入する、レーザー照射などの「神経ブロック」という方法をとります。神経ブロックは、胃がん、すい臓がん、乳がん、直腸がん、膀胱がんなどに使うことができます。

進行がん ( しんこうがん )

手術などで切除することがむずかしい状態のがん、または早期がんに比べてがんが進んだ状態をいうこともあります。ただ、がんの種類によって、早期がんも進行がんも定義が異なり、一般に、別の臓器に広がったり転移している場合に進行がんといわれます。

浸潤 ( しんじゅん )

がんが、周囲の組織に水が染み込むように入って広がること。たとえば、たちが悪いがんといわれるスキルス胃がんの場合、短い間に胃全体へ、そして粘膜の下層以上に浸潤していきます。
なお、がん以外にも、白血球やリンパ球が炎症部位に集まることを浸潤といいますが、これは、がんの浸潤とは異なります。

ストーマ

直腸や膀胱のがんなどで切除したとき、腹部に便を排泄するために設けられた排泄口のことで、「人工肛門」「人工膀胱」などともいわれます。ストーマをもつ人をオストメイトといいます。

生検 ( せいけん )

体の組織の一部を針などで採って、顕微鏡などで調べる検査。病理組織検査、組織診検査ともいわれ、針で組織を採る場合は針生検ともいいます。細胞レベルではなく、構造をもつ組織の検査のため、精度が高く、がんの最終的な診断のために重要な検査とみられています。

生存率 ( せいぞんりつ )

がんと診断されて一定期間に治療を受けた人の中で、どの程度の人が生存しているかをあらわす数値で、がんの治療成績を示す指標となっています。主に「5年生存率」がいわれますが、がんの種類によって「1年生存率」「10年生存率」も使われます。
なお、これは統計的な平均値をあらわすもので、その人の状況によって異なりますから、こだわりすぎない方が良いでしょう。

セカンドオピニオン

主治医以外の医師に、治療方針や病状などに関する見解を聞くことです。自分に適した医療を自己決定するうえで他の専門医の意見は参考になり、大事な要素です。近年は、ニーズが高まり、「セカンドオピニオン外来」を設置する医療機関も増えています。セカンドオピニオンを受けた医療機関で治療を受けられる、または転院すると思う人が多いのですが、あくまで意見を聞くことであり、その病院では検査も診察もしません。転院する場合は、その手続きや手順が必要です。
診察のとき、病状や治療方法の説明を受けて、患者・家族が治療方法の選択に迷ったときなどに、患者・家族からセカンドオピニオンを申し出たり、逆に主治医が「セカンドオピニオンを受けても良いですよ」とすすめることもあります。主治医の説明を受けて、治療方法を選択するまでのプロセスでよく使われる言葉です。

早期がん ( そうきがん )

がんの進行過程でもっとも早い段階のがんをいいます。ただ、きちんとした定義は臓器ごとに異なり、一般的にごく小さながん、浸潤していないがん、などと、とらえられています。初期がんといってもよく、進行がんに対する言葉として使われます。

奏効率 ( そうこうりつ )

治療の効果があらわれることを「奏効」といい、その割合が「奏効率」です。同じ治療を受けた患者の経過を継続的に観察し、たとえば、がんが縮小したケースが全体の中でどのくらいの割合でいるのか、といった数値を示したものです。治療の効果を示す指標として用いられ、寛解ともいわれます。

【出典】「がん治療の前と後 納得できる治療を受けて、前向きに過ごす手引き」
【監修】医学博士 竹中文良 2010年 株式会社法研 発行

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