タ行 がん用語集

がんについて耳にするいくつかの専門用語を集めています。
五十音順で探すことができます。

対症療法 ( たいしょうりょうほう )

病気や症状の原因そのものを治療する(原因療法といいます)のではなく、病気によって起こる症状を改善したり、やわらげる治療のことをいいます。たとえば痛みや吐き気などが生じた場合、鎮痛薬や吐き気止めの薬を用います。

耐性 ( たいせい )

ある治療や薬剤を用いて、最初は効果が上がっていても、何度も繰り返している間に効きにくくなることがあります。それは治療や薬に対して、身体が慣れてきているためで、このような状態を「耐性」といいます。耐性が起こる要因としては、患者の身体の中で薬剤が代謝されやすくなっている、またがん細胞自体の性質が変わって薬剤の作用が効きにくくなっていることなどがあげられます。

代替療法 ( だいたいりょうほう )

一般的には、通常の西洋医学とみなされていない治療・医療をさします。正式には、「補完代替医療」ともいい、鍼灸、インド医学のアーユルベーダ、自然食やサプリメント、健康食品など、がんに効くとされるものが多種多様にあります。それらの有効性は、実証されているわけではなく、がん治療のためというより、免疫力を上げたり精神面への効果をもたらすという位置づけで考えられています。

多剤併用療法 ( たざいへいようりょうほう )

いくつかの薬剤を組み合わせて治療をすること。治療効果を高めたり、副作用を減らすことをめざした方法です。この療法を行う場合には、それぞれの薬ががんに有効、併用によって相乗効果がある、副作用が重複しないなどの基本原則があります。

多発がん/多重がん ( たはつがん/たじゅうがん )

同じ臓器に同じ種類のがんが複数発生するのが「多発がん」、ひとりの人に異なるがんが発生するのが「多重がん」で「重複がん」ともいわれます。多重がんは、共通の危険因子をもつがんの組み合わせ、たとえば、喫煙によって、喉頭がんと肺がんの多重がんにかかるというようなケースがみられます。
がん罹患率の統計では、多重がんは別個のがんとして、多発がんは個数に関係なくひとつのがんとして集計されます。

ダンピング症候群 ( ダンピングしょうこうぐん )

胃の切除手術をした人が食後に起こる腹痛や動悸、冷や汗、めまい、倦怠感、脱力感などの症状のこと。食後にすぐあらわれる早期ダンピング症候群と2~3時間たってあらわれる後期ダンピング症候群があります。対処方法として、低糖質・高たんぱく、適度な脂肪の食事で水分を少なくする、少量で多くの回数にするなどの食事療法が中心で、ケースに応じて薬を用います。近年は、胃の幽門部を切除しない術式が行われるようになり、ダンピング症候群を軽減することも可能になりました。

治験 ( ちけん )

新しい薬の開発や認可を得るために、人体での効果や安全性を調べる診療の場での試験です。新薬や治療方法の有効性や安全性を調べるために人間を対象として試験研究することを「臨床試験」といいますが、新薬の厚生労働省による承認を目的としたものが「治験」です。なお、患者へのインフォームドコンセントと患者の自己決定が条件になっており、実施基準も規定されています。
試しに治療すること、効果や安全性がわからないものを人体実験する、無料で体験できる、などと誤解する方もいますが違います。

治癒 ( ちゆ )

病気やけががよくなって完全に治ること。いったん治まっても再び病状・症状があらわれたり、発生することがあります(再発、再燃)。がんの場合もそういった再発・再燃や転移が起こることがあります。それらの再発・再燃・転移が起こらず、回復したと判断されたときに「治癒」といい、がんの場合は治療後5年を過ぎると再発しないといわれるため、「5年生存率」を治癒の目安としています。

適応障害 ( てきおうしょうがい )

精神的ストレスによって日常生活や社会生活に支障が起きている状態です。がん告知をはじめ診断後の治療の過程でも、不安や恐怖、経済的な問題などの悩みを抱え、多大な精神的ストレスを受けるものです。精神疾患の一種、ストレス障害と位置づけられています。

摘出 ( てきしゅつ )

患部を切り取って組織を取り出すこと。がんの場合、手術療法によって、がんのかたまりや周囲のリンパ節などを切除して取り出します。取り出した組織は、進行度合いや性質を調べるために「病理検査」を行います。

転移 ( てんい )

がんが他の臓器や組織に飛び火するのが「転移」で、転移したところでがん細胞は増殖し、新たなかたまりを作り始めます。がんの種類によって転移しやすい場所は異なりますが、主に血液やリンパ液の流れに乗ったり、腹腔や胸腔内で散らばることで起こります。

転移抑制薬 ( てんいよくせいやく )

がんの転移を抑える抗がん剤のことです。がん細胞が増殖して浸潤し、他の臓器や組織に転移していくという過程の中で、どこかの段階で転移しないように阻止することを目的として、転移抑制薬の研究・開発が進んでいます。

疼痛 ( とうつう )

がんによる痛みを「がん性疼痛」といいます。がんそのものによって起こる痛み、治療が原因で起こる痛み、がんの影響によって起こる痛みなど、原因はさまざまですが、進行がんでは約半数の人が痛みをもっているといわれています。
痛みへの対策は、QOLを確保するためにも重要な課題で、WHOではがん性疼痛の標準治療である「WHO方式がん疼痛治療法」を提唱しています。今日、身体的な痛みの多くは鎮痛薬などによって緩和されるようになりましたが、薬では癒せない精神面へのケアが大事な課題になっています。

【出典】「がん治療の前と後 納得できる治療を受けて、前向きに過ごす手引き」
【監修】医学博士 竹中文良 2010年 株式会社法研 発行

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