患者さんの体験談~がんと向き合う~今できるベストのことをやる

GIST 64歳 男性
昨年7月に胃原発のGIST(消化管間質腫瘍)が見つかり、翌月なかばに開腹手術にて患部を切除する。現在は再発防止のため、投薬にて治療中。若い頃から続けている社交ダンスは、夫婦でペアを組んで競技に出場するほどの腕前。最近では社交ダンスのサークルも主宰している。

自分はとても運が良かったと、今になって思う

GIST(消化管間質腫瘍)であることがわかった経緯を教えてください。

昨年の夏前に、お腹の右側に筋みたいなものが浮き出てきまして。とても気になって家内に相談すると、「歳も歳だし、病院で診てもらったら?」と言われたので、近くの大きな病院で検査しました。すると、その筋みたいなものは問題なかったのですが、「胃に9センチくらいの腫瘍があります」と言われて、ビックリしちゃったんですよね。その病院はGISTの手術経験があったからでしょうか、すぐに「これはたぶんGISTだと思います。うちの病院で手術もできますが、どうしますか? 他の病院で手術しても構いませんよ」って言われたんです。

私はずっと社交ダンスをしているのですが、実は、吉野ゆりえさんに教わっているんですね。彼女は「後腹膜平滑筋肉腫」という非常に稀ながんで、8回も手術している方なんです。それで彼女に相談したら、すぐに別の病院を紹介されて、検査から手術まで非常に短い期間で行なえました。

「自分はとても運が良かったんだなあ」って、今になっては思います。その筋みたいなものがなかったら病院に行かなかったし、最初の病院も、経験があったからすぐにGISTだろうと判断できた。そして、吉野ゆりえさんと懇意だった……本当にいろんな偶然が重なっていましたね。

なったからには、今できるベストのことをやる

初めてがんと告知されたときの心境はいかがでしたか?

やっぱり、一種のショックはありますよね。「えー、なんで?」と。でも、なったものはしょうがないなって(笑)。なったからには、今できるベストのことをやるしかない。手術で切れるんだったら切ってもらう。転移しているかどうかは調べてもらって、それから考える。そんな心境でした。

最初、治療計画を主治医と相談しているときに、「腫瘍のサイズが大きいから、薬で少し小さくしてから手術で取る方法もあります。でも、僕だったらギリギリ切れるサイズだなあ」と言われたので……薬を飲んで小さくしても、やっぱり切らなきゃいけないんですね。薬が効くかどうかも、その段階ではわからないし。それで待っているよりも、切れるんだったら切ってもらったほうがいいと思いました。結果的には他の臓器への癒着も転移もなく、手術後の病理検査で私のGISTは薬が一番効くタイプということがわかったので、すぐに切除したことが良かったんですね。今は再発予防に投薬治療を行なっています。

自分だけで考えていても全然進まない

病気について、どなたに相談することが多かったでしょうか?

吉野さんと一番話しましたが、その存在はとても心強かったですね。すでにGISTの患者さんを何人も知っていて、いろんな方のケースを教えていただいたので、だからこそ、自分にとって一番良い選択ができたんじゃないかと思っています。ですから、初めてがんにかかった方も、いろんなケースがあることを知って、ご自分の症状に合うベストな選択は何かを考えるようにしたらいいんじゃないかと私は思います。

そういう意味では、患者会に参加したことも良かったですね。これも吉野さんからご紹介いただきましたが、GIST患者さんが集まるサイトで色々と勉強させてもらっています。こういった情報源があると心強いですね。私はぜひ見たほうがいいと思います。みんなこうやって工夫してがんばっているんだなとか……やっぱり、自分だけで考えていても全然進まないんですよね。だんだん落ち込んでいくばかりで。

あとは……家内が看護師だったものですから、いつも一緒に先生の話を聞いてもらって、彼女なりの意見を言ってくれますので、それも心強かったですね。

自分にできるのは、ストレスをためない、クヨクヨしないこと

アジュバント(術後の補助治療)において、心がけていることはありますか?

私はダンスに夢中になるようにしていますね。普段は自分ががん患者だと思っていません。やっぱり、体力的な部分で、ふとした拍子に自分ががんだと思い出すことはありますが、「なったんだからしょうがないよね」って思うようにしています。アレコレ考えて、それで良くなるんだったら一生懸命考えますが、現状、薬をきちんと飲んで、お医者さんの言う通りにやるくらいしかないですから。自分でできるのは、ストレスをためない、クヨクヨしないようにすることかなと思って、身体を動かすことだけを心がけていますね。

幸い私は非常に楽天的なもんですから(笑)、あまり気にしないんですよね。おそらくダンスの練習で一生懸命汗かいて、発散できているからだと思いますね。好きなことをやっているから。ダンスの練習仲間にもがんになっている人はけっこういますが、みんな前向きに、一生懸命ダンスに取り組んでいます。むしろ健康な人に負けてたまるか! というような思いがありますね(笑)。

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