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通院しながらがんの治療を続けるあなたへ 抗がん剤や分子標的薬などによる薬物治療の副作用、
どう対応すればいい?

抗がん剤や分子標的薬などによる薬物治療による副作用は程度の差はありますが、何かしら経験するものです。ここでは、先輩がん患者さんたちがどんなふうに副作用と付き合ってきたのかを、紹介します。

病院での説明のほか、インターネットやがん患者会などで聞く経験者の話も参考にしながら、自分なりに副作用とうまく付き合う方法を探りましょう。大事なポイントは、がんばりすぎないことです。

体調の波をつかもう

抗がん剤や分子標的薬などによる薬物治療を行っているときには普段よりも風邪をひきやすくなりがちです。一度引くと治りづらく、その後の治療スケジュールにも影響が出てしまいます。手洗い・うがいを徹底する、人ごみに出かけないようにするなど、体調管理には気をつけましょう。

また、がんの治療後、何日後にどんな症状が出て、どのくらい続くのかという”体調の波”がわかってくると、心の準備もできますし、予定を立てやすくなります。体調の変化や副作用の程度などを、簡単にメモを取ったり日記を書いたりしておくといいでしょう。吐き気といった副作用にしても、どんなときに出やすいのかを考えてみましょう。ある患者さんは、薬を服用する前に、肉などの消化に時間がかかるものを食べておくと、吐き気などの副作用が弱くなることに気づき、食事をあっさりした和食からこってりしたものに変えたところ、吐き気などの症状が軽くなったそうです。

先輩がん患者さんたちの“甘える”工夫

しんどいときには素直に力を抜く。がんばりすぎないのも、大事な心得です。家事を手伝ってもらったり、仕事もできることから始めたり、周りに少し甘えてみることも必要です。また、人と話したり、外に出て外気に触れたり、気分転換できる時間もつくりましょう。

買い物には、ネットスーパーやネット通販が役立ちます。体調が悪かったり、脱毛などで外見が気になったりするときには、帽子も下着もお店での試着がしづらいかもしれません。またがんの治療中は重いものを持つのがいつも以上にしんどくなります。そんなときに重宝するのがネット通販です。

突然宅配便が届いて、慌てて出たらウィッグをつけ忘れた……なんて話もありますが、人目を気にせず商品を選べて家まで届けてくれるネットスーパーやネット通販は便利です。うまく活用してはどうでしょうか?

がんの後遺症には気をつけて

がん手術の部位によっては、手術したほうの腕や足にむくみが出て、リンパ浮腫になることがあります。キャリーバッグやカートを利用する、荷物を宅配で送る、荷物を持ってもらうなど、重たいものはなるべく持たないようにしましょう。また、皮膚を清潔に保つ、皮膚の乾燥を防ぐ、傷や日焼け、刺激の強いマッサージは控えるようにしましょう。虫刺されや小さな傷から細菌が入り、腕や足全体に炎症が広がることもありますので注意しましょう。ただし、気にし過ぎるとストレスになるので、「なるべく気をつけよう」というぐらいの心構えでいきましょう!

がんの場合、退院したら終わりではありません。がんの治療を継続していること、副作用とうまく付き合いながら生活していることを身近な人にも知ってもらったほうが、精神的に楽になるかもしれません。

※副作用についてはまずは医師・看護師に相談しましょう。

【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生

更新年月:2022年11月

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