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がん患者入門~入院・手術 身近な人が、がんになったら?
「普段通り」が実は嬉しい!

病気と向き合っているのは患者さんだけではありません。家族も「第二の患者」と呼ばれるほど、不安を抱えています。

家族だって十分にがんばっているのですから、自分のことで精一杯でも時にはちゃんと感謝の気持ちを伝えましょう。また、家族は、本人を無理に元気づけよう、励まそうと思う必要はありません。普段通りに「いてくれる」ことが患者さんにとっては心強いものです。

家族もつらい

家族も、患者さんと同じように不安になったり、心がつらくなったりすることもあるでしょう。「誰に相談したらいいのかわからない」と一人で悶々と悩みながら、日常生活を営んでいる家族もいます。でも、一人で考えていては、ついマイナスの想像をしてしまうかもしれません。「知り合いの医者に相談した」「友人に話を聞いてもらった」「職場の先輩に話した」など、誰かに話すことで気持ちが少し上向いたという人は多いです。 相談する相手を思いつかない人は、病院の「がん相談支援センター」、患者会・患者サロンもあります。患者さん本人だけではなく、家族の相談にも乗ってくれますので、一度足を運んでみてはいかがでしょう?

患者会・患者サロンでは、「家族ならでは」の悩みを同じ立場の方たちと共有できるかもしれません。

手術中、心配になったら看護師に確認を

家族にとって最も不安なのが、手術中ではないでしょうか。「落ち着かなくて手術の間中、階段の上り下りをしたり、近くをウロウロしていた」なんて人もいます。

待つ場所は、病室、手術待合室など、病院によって異なります。待ち時間は長いので、本や雑誌など、気が紛れるものを持参してもいいかもしれません。PHSを手渡され、手術が終わればPHSで呼ばれるという病院もあります。待合室などに「一人は待機していてほしい」と言われることが多いのは、手術中に何かあった場合にすぐに経過を報告するためです。

また、手術が長引くと、心配する気持ちが高まります。でも、単に「まだ麻酔から覚めないから」といった理由で、手術室から出てこないケースもあるようです。心配になったら、看護師に確認をしましょう。ちなみに、「手術の途中で医師から『もうすぐ終わります』と告げられたのに1時間半出てこなくて心配した」という話もありました。医療者と患者・家族の感覚は同じとは限りませんので、気に留めておいてください。

そして、手術を終えて患者さんが出てきたら、「がんばったね」と褒めてあげてください。その一言が患者さんにとっては安心であり、とても嬉しいのです。

普段通りいてくれるだけで嬉しい

治療中、患者さんのために何かしたいと悩む家族も多いでしょう。いつもは患者さんが担当している家事を手伝うなど、ちょっとしたサポートがありがたいものです。

また、「元気づけるような言葉をかけられないか?」と悩む家族もいるでしょう。でも、患者さんにとっては、励ましてくれるのもいいけれど、寄り添ってくれるだけで嬉しいものです。本人が落ち込んでいるときには、無理に言葉をかけようと思わず、そっと近くにいてあげてください。それだけで患者さんのつらさが和らぎます。

患者さん側は、そんな家族の優しさを感じたら、「家族もがんばってくれているんだな」と、ぜひ「ありがとう」と一言伝えてあげてください。患者さんにとって、家族はかけがえのない存在なのです。

【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生