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がん患者入門~入院・手術 入院生活のはじまり。どんな生活に?
快適に過ごすには
周りへの気遣いも忘れずに!

入院が始まったらどんな生活が待っているのでしょうか? ここでは、入院中の病室のこと、食事や入浴のことを紹介します。

個室と大部屋で入院生活はどう変わるのか、入院中の食事はどんなものか、入浴は自由に入れるのか――。ある程度は事前にイメージできた方が安心ですよね。プライバシーのことを考えると個室が気楽ですが、大部屋は大部屋の良さもあるようです。

大部屋派? 個室派?

周りの人のことを気にせず入院生活を送りたい人にとっては、やっぱり個室の方が楽でしょう。テレビも見たい時に見れて、来訪者とも気兼ねなく面会をすることができますし、よりプライバシーも保たれます。ただし、自分から希望して個室に入院する場合、多くの病院では「差額ベッド代」と言って公的医療保険適用外の料金がかかります。金額は病院によって異なり、この費用は高額療養費制度の対象外です。

一方、差額ベッド代のかからない4人部屋や6人部屋などの大部屋は、プライベートな部分が制限される、面会にも気を遣う、食事制限中に同室の人が食事をしているとつらいといったデメリットはありますが、いいところもあります。一番は、先輩患者さんから話を聞けるということです。術前の不安を聞いてもらったり、術後の生活の知恵を教えてもらったり、また、術後の痛みがあったときに「痛みは今が一番で、明日はもっと良くなるし、明後日はさらに良くなるよ」と言われて不安が和らいだという人もいました。手術前には同部屋の患者さんから「頑張って、大丈夫だよ」とエールとともに送り出してもらい、戻ってきたら「よく頑張ったね」と温かく迎えてもらったなど、“仲間”がいるという心強さもあります。

大部屋では周りに配慮を

大部屋でもなるべくゆったり過ごしたいと思ったら、窓側のベッドがおすすめです。廊下を歩く人から覗かれることもありませんし、外の景色が見えて気が紛れ、スペースも広く感じます。一方、「西日が強い時には窓側はつらい」という話もあります。特に手術直後の体力が弱っているときには、廊下側の方が楽かもしれません。トイレまでの距離が短い、看護師の目に触れやすいといったメリットがあります。

入院中にベッドの位置や病室を変更したいときには、看護師にあらかじめ希望を伝えておきましょう。空きがあれば、替えてくれることもあります。また必要なテーブルや補助いすの数、寝るときに必要な補助枕など、快適に病院で過ごすための知恵は看護師さんに相談してみましょう。

大部屋での入院生活を快適に過ごすには、やはり周りへの配慮が大事です。まずは、挨拶。入院時だけでなく日々の周囲への挨拶も気持ちよくしましょう。また、面会時には、声の大きさや会話の中身、そして差し入れの食べ物や化粧水、ヘアスプレーなどの匂いにも配慮が必要です。面会者との会話を楽しみたいときには、デイルームや食堂に移動するといいでしょう。同じように携帯電話を使う時にも配慮が必要です。基本はマナーモードで、電話をする際は院内の決められた場所に移動しましょう。

病室によっては、各人がカーテンを閉めて一切コミュニケーションがない場合もあります。話を聞きたいと思うかもしれませんが、具合が悪いのかもしれません。無理に話しかけず、質問があれば看護師、医師に聞きましょう。

食事は? 入浴は?

入院中の食事は、楽しみの一つかもしれません。病院によっては「選択食」と言って、通常は和食のところを洋食に、ご飯をパンやそうめんに、魚を肉に、果物をヨーグルトになど、通常メニューとは別のメニューを用意しているところもあります。ただ、選択食を選んだ場合、一食につき50円、100円など別途料金がかかることが多いようです。

また、食欲がない時のためのゼリー食を用意していたり、主治医からの許可を得た上で外食するときなどは食事を断ることができる場合もあります。ちなみに、手術前後は症状によって食事の内容が変わります。

手術直後は食欲がないことが多く、手術部位によっては絶食期間もあり、なかなか普段通りの食事はできませんが、日が経つにつれて食欲も沸いてきます。おかゆではなく、お米の形がはっきり見えるご飯を食べられるようになると「回復してきた!」と嬉しくなるものです。

入浴(シャワー)は、病院によってルールが決まっています。また、病状によっても入浴の可否が変わります。いずれにしても交代で入るため、家のお風呂のように時間を気にせず入るというわけにはいきません。なるべくゆっくり入りたいときには一番早い時間に予約するなど、人が少ない時を狙いましょう。ただ、朝早い時間は寒いというデメリットもあります。お風呂掃除が終わった後も気持ちがいい一方で、寒いかもしれません。

【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生