急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ治療法-移植片対宿主病

移植片対宿主病(GVHD)1,2)

同種移植では、ドナー由来のリンパ球が白血病とは関係のない、正常な腸管や肝臓、皮膚なども攻撃してしまうことがあります。これを「移植片対宿主病」と呼びます。同種移植から数週間のうちにおこり、下痢や皮膚の発疹、黄疸などを引き起こす急性GVHDと、移植してからかなりの時間が経過してから皮膚が硬くなったり、口内炎などができたりする慢性GVHDがあります。GVHDは重症化すれば命にかかわる合併症であるため、予防的に免疫抑制剤を使用します。また、治療には主に副腎皮質ステロイドが用いられます。GVHDのコントロールは、移植を成功させるうえで非常に重要なものとなります1,2)

図.急性移植片対宿主病(GVHD)1)

【出典】

1. 医療情報科学研究所 編集.病気がみえるvol.5 血液 第2版.メディックメディア.206, 2017

2. 宮崎仁.もっと知りたい白血病治療―患者・家族・ケアにかかわる人のために 第2版.医学書院.91, 2019

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2022年11月

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