慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ慢性骨髄性白血病(CML)の原因と診断

慢性骨髄性白血病(CML)はどのように診断されますか?

慢性骨髄性白血病(CML)を診断する際には、問診、血液検査、染色体検査、遺伝子検査などを行います。最終的に慢性骨髄性白血病(CML)と確定診断するには、染色体異常(フィラデルフィア[Ph]染色体)あるいは遺伝子異常(BCR-ABL遺伝子)をみつける必要があります1)

骨髄検査では、細い針を骨に刺し、中にある骨髄液を注射器で吸引する「骨髄穿刺(マルク)」を行います。骨髄穿刺は、主に腸骨で行いますが、胸骨で行う場合もあります。骨髄穿刺で骨髄液が吸引できない場合、腸骨にやや太い針を刺し、骨髄組織を採取する「骨髄生検」を行うこともあります2)

表. 慢性骨髄性白血病(CML)を診断するときの主な検査(出典1より作表)

検査項目 検査で調べること
血液検査 ・赤血球、血小板、白血球の数の異常
・芽球の有無
骨髄検査 ・血液細胞の数や形の変化
・芽球の数
染色体検査 ・染色体の異常(フィラデルフィア染色体)
遺伝子検査 ・遺伝子の異常(BCR-ABL遺伝子)
超音波検査、CT検査 ・肝臓、脾臓、リンパ節の腫れの程度

芽球:成熟する前の血球

【出典】

1) 永井正:図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫 法研:22, 2016

2) 医療情報科学研究所編:病気がみえるvol.5 血液 第2版 メディックメディア:17, 2017

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2022年11月

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