慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ治療法

治療薬が効かなくなるのはどのようなときですか?

これまで使用していた分子標的薬で十分な治療効果が得られなくなった場合、突然変異による遺伝子異常が生じてBcr-Abl蛋白の形が変わってしまい、薬が結合できなくなったり、結合できても外れやすくなったりしたことが原因の1つだと考えられます。
また、Bcl-Abl蛋白とは異なる経路で病期を進行させるスイッチが入ってしまい、分子標的薬が作用できなくなることも原因と考えられています。

その他にも、治療薬が効かなくなる理由として、下記のようなことが考えられ、別の治療薬への切り替えが検討されます1,2)

  • Bcr-Abl蛋白が過剰につくられている
  • 服用した治療薬が体内に十分に吸収されていない
  • 治療薬が白血病細胞の中に入りにくい
  • 治療薬が白血病細胞の外に排出されやすくなっている

【出典】

1) 椿正寛:YAKUGAKU ZASSHI 138(12):1461, 2018

2) 矢ケ崎史治:日本内科学雑誌 96(7):1411, 2007

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2022年11月

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