大腸がんの術後の経過観察と再発・転移再発・転移

がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、別の臓器に流れ着き、そこで増殖することを転移といいます。大腸がんでは肝臓や肺、リンパ節への転移が多くみられ、骨や脳など全身に転移することもあります。

手術でがんをすべて切除できたと判断しても、肉眼的には把握できない微小ながんが体内に残っていることがあります。手術の前にX線検査やCT検査などでがんが転移しているかどうか検索しますが、ある程度の大きさでないと映らないため、微小ながんは診断できません。

体内にがんが残っていると、手術後、体内に潜んでいた微小ながんが大きくなって、時間が経ってから目に見えるような大きさになることがあります。これを「がんの再発」といいます。

進行したがんほど再発率は高くなります。粘膜内にとどまるがん(0期のがん)はがんを完全に切除すれば、再発を起こすことはほとんどありません。Ⅰ期では約6%、Ⅱ期では約15%、Ⅲ期は約30%の再発率です。再発する人の約85%は手術後3年以内に、95%以上は5年以内に見つかります。そのため、術後の経過観察が大切で、術後5年間は再発のリスクに応じたスケジュールで検査を行います。

※【出典】 国立がん研究センターがん情報サービス 大腸がん(結腸がん・直腸がん) 治療
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/treatment.html)2024/1/25 参照

【監修】国立がん研究センター東病院 消化管内科 吉野孝之 先生
小谷大輔 先生

更新年月:2024年3月

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