RCC(腎細胞がん)腎がん闘病記自己注射によるサイトカイン療法を開始

腎がん闘病記自己注射によるサイトカイン療法を開始

西浦勝也さん(50 歳、エンジニア) にしうら かつや 1960年生まれ。職業はシステムエンジニア。2000年、のう胞性腎細胞がんが判明し、部分切除後、サイトカイン療法を行った。後に肺や骨に転移し、骨移植手術を受ける。現在、再発・転移はないが、良性の腫瘍があり、経過観察中。とんぼ玉作りやアウトドア、登山など、実に多趣味。

自己注射によるサイトカイン療法を開始

主治医によれば、私の病気は「のう胞性腎細胞がん」。手術は成功し、転移もないとのことで、再発予防のためにサイトカイン療法を行うことになりました。

最初2週間の治療は入院中に行いました。週3回、注射を打つたびに副作用の発熱に苦しみましたが、入院生活自体はそれなりに楽しいものでした。私は人と話すのが好きなので、自分からほかの患者さんによく話しかけていました。患者同士でパチンコに出かけたり、高校生の患者さんに風呂で背中を流してもらったりしたことは忘れられない思い出です。

8月上旬に退院し、2日後に仕事に復帰。自己注射※によるサイトカイン療法が始まりました。朝、忙しくて自宅で注射する時間がないときは、職場で仕事の合間に注射を打たなければなりません。外出先で注射を打つ場所を探すのも、ひと苦労でした。どうしても場所が見つからず、交番の取調室で注射を打たせてもらったこともあります。

サイトカイン療法が始まって3カ月もすると、発熱はおさまってきたのですが、抜け毛が目立つようになりました。

私の場合、仕事の復帰は割合スムーズでした。私はエンジニアで、顧客企業に情報システムの構築や提案などを行うのが主な仕事です。病気になる前は、深夜残業や徹夜作業も多く、家に仕事を持ち帰ることもしばしばでした。

そこで、同僚や上司には病気のことを打ち明け、理解を求めました。勤務先では半休取得やフレックスタイムも認められており、働き方やスケジューリングは自分の裁量に任されています。周囲はとても協力的で、ありがたく思っています。

「もう注射をやめたい」何度もそう思った

ただ、どこに行くにもサイトカインを携帯しなければならないのは、つらかったですね。せっかく家族で旅行に来ているのに、旅先でも注射をしないといけない。副作用があまりない分、本当に効き目があるのかどうか不安でした。高額な薬を使って、無意味な治療をしているのではないか――そんな疑念にとらわれて、「注射をやめたい」と思ったことも1度や2度ではありません。

疑問といえば、もう1つわからないことがありました。インターネットで知り合った腎がんの患者さんは、私よりも腫瘍が大きくて腎臓を全摘したのに、サイトカイン療法を行っていないというのです。私は「自己免疫力を高めるために、腎がんの患者は皆サイトカイン療法を行うものだ」と思っていたのですが、どうもそうではないらしい。その疑問を主治医にぶつけると、「病理検査の結果、あなたのがんは悪性度が高く、再発率が高いので、サイトカイン療法を行っているのだ」とのことでした。

術後2年が経過したころ、胸部CT検査で、右肺に転移性の腫瘍が見つかりました。そこで、回数を減らしていたサイトカインの自己注射を再び週3回に増やし、様子を見ることになりました。

翌03年の初めごろ、サイトカインの副作用により白血球や血小板が減少し、肝機能も低下していることが判明。副作用を抑えるため、サイトカインの自己注射を週1回に減らすことになりました。その後、肺の腫瘍が大きくなっていないこともあって、主治医と相談し、8月に自己注射を中止しました。

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  • ※サイトカイン療法は指導を受けることによって在宅自己注射も可能となっている

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