慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ慢性骨髄性白血病(CML)の原因と診断

慢性骨髄性白血病(CML)とは?

慢性骨髄性白血病(CML)は血液細胞のもととなる造血幹細胞ががん化する病気です1)。発症頻度は白血病全体の約20%を占め2)、日本では1年間に約1,500人が診断されます3)。症状があらわれにくいため、健康診断や他の病気の検査で偶然発見されることも少なくありません4)
慢性骨髄性白血病(CML)は、急性骨髄性白血病(AML)が慢性化した病期ではありません。慢性骨髄性白血病(CML)における「慢性」とは、病気の発生から実際に症状があらわれるまでに長い期間を要するため、病状に急激な変化がない期間が続くという意味です。慢性骨髄性白血病(CML)は放置していると診断後3~5年で急性骨髄性白血病(AML)に似た症状を引き起こすため、早期から適切な治療を行うことが重要です5)
最近では新しい治療薬の登場により、CMLに罹ったとしても長期の生存が期待できるようになりました6)

図.日本の成人白血病の病型分類と頻度

【出典】

1) 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版補訂版 金原出版:89, 2020

2) 清井仁:日本内科学雑誌107(3):493, 2018

3) 国立がん研究センター:がん情報サービス 慢性骨髄性白血病 6. 患者数(がん統計)
https://ganjoho.jp/public/cancer/CML/index.html#anchor6 2022/07/13参照

4) 医療情報科学研究所編:病気がみえるvol.5 血液 第2版 メディックメディア:146, 2017

5) 宮崎仁:もっと知りたい 白血病治療 患者・家族・ケアにかかわる人のために 第2版 医学書院:69, 2019

6) Druker BJ, et al.:N Engl J Med 355(23):2408, 2006

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2022年11月

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