肺がんQ&A遺伝子変異とは何ですか?

ヒトの体は約60兆個の細胞でできています。1つ1つの細胞の中には「核」があり、さらに核の中の染色体には、糸のような「DNA」がヒストンと呼ばれる糸巻きのような分子に巻きついてできています。核には約2万2千個の遺伝子(遺伝情報)を含むDNAが存在します。

染色体とDNA染色体とDNA

石川 和宏: 基本まるわかり!分子標的薬 南山堂: 42, 2013

DNAに含まれる遺伝情報は、A(アデニン)、G(グアシン)、C(シトシン)、T(チミン)という4種類の塩基によって記録され、この並び方が、遺伝情報を伝える暗号となります。

DNAに記録された暗号はRNAによって翻訳・伝達され、この情報に基づいて20種類のアミノ酸が合成されます。アミノ酸はタンパク質の材料で、アミノ酸の並ぶ順番によってタンパク質の形が変わります。

遺伝情報によってできるタンパク質の形遺伝情報によってできるタンパク質の形

掲載図監修:近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

さまざまな理由によって、DNAに異常が起こることがあり、これを「遺伝子変異」と呼びます。遺伝子変異が起こると、正常なタンパク質とは性質が違う異常なタンパク質(分子)がつくられてしまうようになり、これががん細胞の元となります。

驚くべきことに、遺伝子変異は細胞1個あたり、1日に5万回程度起こっているといわれますが、ヒトには遺伝子変異を修復する仕組みがあるため、ほとんどは修復されて元に戻ります。修復できなかったごく一部の異常がいくつも積み重なってしまったときに、がんが引き起こされることがあります。

遺伝子変異の起こり方遺伝子変異の起こり方

掲載図監修:近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

【監修】近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

更新年月:2021年9月