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これから治療を始めるあなたへ 十人十色。
伝え方もひとつじゃないよね!

病気のことを他の人に伝えるのはつらいことです。十人いれば、伝え方もそれぞれ違ってきます。「今は伝えない」という選択肢もあります!

パートナーや子ども、親、職場、友人に、病気のことをいつ、どんな風に伝えるか?

あるいは、伝えるかどうか……。相手によって伝えるタイミングも伝える内容も変えたという人が多いようです。

子どもに伝える? 親に伝える?

既婚者の場合、最初に伝えた相手として多いのが、やはり配偶者です。すぐに伝えて、あるいは一緒に告知を受けて、治療中もメンタル面も含めて細かく伝えていた人が多いようです。

子どもに対しては、伝えるかどうか、どこまで伝えるかは年齢にもよります。理解できる年齢であれば、正しく伝えてあげたほうが不安は少ないかもしれません。ただ、インターネットを使える年代であれば、自分でどんどん調べてしまうものです。悲観的な情報ほど目に入ります。だから、「良い情報だけ伝えた」という人もいます。

一方、悩むのが親への伝え方かもしれません。「一緒に告知を受けた」「翌日には伝えた」人もいる一方、いくつになっても子どものことを心配するのが親というものです。「自分自身が落ち着いてから話した」「両親を支えてもらうために両親の友人に手紙を書いた」という人もいます。それも伝え方の一つです。

職場への伝え方

仕事をしている人にとっては、まず悩むことの一つが「職場の人にどう伝えるか?」。病気がわかってすぐにメールで伝えたという人もいれば、入院や手術が決まってからという人もいます。伝える相手も、「上司のみ」や「職場全員」「仕事でお世話になっている人だけ」など人それぞれです。

なかには、「プロジェクトから外されそうで言えなかった」という人もいます。「伝えない」という選択ももちろんあります。ただ、「体調が悪いときにつらいと言えない」「会社を休みにくい」など、周りが知らない分、つらいこともあります。病名だけを言っても、相手にはなかなか伝わりにくいものです。「できること」「できないこと」「協力してもらえばできること」など、具体的にしてみてはどうでしょう? 上司や同僚など、特に配慮が必要な人へ「配慮してほしいこと」を伝えれば、理解がより深まるかもしれません。

噂が勝手に広がらないように

友人に対しては、伝える人、伝えない人を分けたという人が多いようです。たとえば、ごく親しい友人にのみ伝えて、ほかの友人には治療が終わるまで黙っていた、などです。治療が終わってから年賀状でさりげなく伝えたという人もいます。

また婦人科系のがんの場合には、出産の問題もあります。「子どもをうめなくなることを知られたくないから言わなかった」という人もいれば、逆に「『子どもは?』と聞かれるのが嫌だから伝えた」という人もいます。

ただ、噂は勝手に広がりやすいものです。もしもあまり知られたくない場合は、「あまり他の人には言っていないけれど」などと前置きをしてから話したほうがいいかもしれません。

【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生