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がん患者入門~入院・手術 お見舞いのタイミングは?
「相手は患者さん」、
当たり前のことを忘れずに!

お見舞いはタイミングが重要です。手術前日や術後の体調が悪いときなどに来られたら、せっかくのお見舞いが、迷惑なものになってしまいます。

お見舞いに来てもらうならいつが嬉しい? お見舞いでもらって嬉しいものは?逆に困るものは?先輩患者さんに聞きました。

入院直後、手術前後はNG

治療スケジュールによっても異なりますが、入院日や入院翌日は、患者さん自身がまだ入院生活に慣れていなかったり、いろいろな検査が入っていたりするため、何かと慌ただしいものです。また手術前日も術前検査や手術の説明で忙しいので、お見舞いは避けた方がいいでしょう。とはいえ、手術後も数日間は体力が低下していたり、体調が悪かったりすることもあるのでお薦めできません。

一番は、患者さん本人や家族に、「お見舞いに行きたいんだけれど、いつがいい?」と率直に確認することです。患者さん側も、会うならある程度の身支度をしたいものです。ほとんどの患者さんは入院中でも携帯電話を使っていますので、「サプライズで!」なんて考えずに、事前にきちんと確認をしてから訪ねましょう。

もらって嬉しいもの、困るもの

お見舞いでもらって嬉しいものとは何でしょう? 先輩患者さんから挙がったのは、マンガや雑誌、また、食事制限がない場合はふりかけや小分けにされた調味料などでした。ただし、マンガ、雑誌は、内容も重さも、軽いものを選びましょう。文字の多い本は、よほどの本好きでない限り、避けたほうが無難です。文章を「読む」のは予想以上に体力を使うものです。

お菓子の場合は、同室の他の患者さんにも配れるように個包装されているもの、日持ちがするものが喜ばれますが、治療によっては食事制限がある場合もあります。食べ物を持っていくときには注意してください。

そのほか、手紙や寄せ書きなどの「言葉のプレゼント」も嬉しいものです。病院によっては、ホームページで「お見舞いメール」を受け付けているところもあります。病院側が便箋にプリントアウトして届けてくれるというサービスで、携帯やスマートフォンのメールとは一味違った「手紙」のような温かさが喜ばれています。「子ども用のカラフルな便箋を選んでくれて、元気が出た」「外の様子を教えてもらえて嬉しかった」など、患者さんから好評です。

一方、定番のお花ですが、最近では感染症予防のために「生花の持ち込みはご遠慮下さい」と言われることが増えています。持ち込み可能な場合でも、ベッド周りはスペースに限りがあるため、特に大きめの花束は飾る場所にも困るようです。お花を渡したいときには、ケース入りのプリザーブドフラワーなどにするか、退院後に「退院おめでとう」と自宅に送ってはいかがでしょうか。

面会時のエチケット

お見舞いのタイミングと同様に、面会時間にも配慮が必要です。お見舞いに来てくれることは嬉しくて、患者さんもついつい張り切ってしまいがちです。でも、術後や抗がん剤治療中は、本人が感じている以上に体力が落ちていることがあり、同じ体制で長時間話していると疲れてしまいます。原則30分以内と割り切って、話しを切り上げることも大切です。「ちょっと顔を見に来ただけだから!」と、10~15分程度でもありがたいものです。

また、治療中、特に抗がん剤治療中は匂いに敏感になることもあります。香水やヘアスプレーなど匂いがきついものは身につけないようにしましょう。華美な化粧や服装も控えた方がいいかもしれません。

もう一つ、大部屋の場合は、同室の患者さんへの配慮も大切です。話すときにはデイルームや食堂などに移動する、小さい子どもは連れて行かない、婦人科病棟であれば旦那さんであっても男性は長居しないなど、周りの患者さんのことも考えましょう。

病院ですから体調が悪い人がいるということを忘れないでください。

がんの治療は、多くの場合、「退院したら終わり」というわけにはいきません。退院後に通院しながら治療が続くこともあります。

買い物を代行してくれる、子供の送り迎えを手伝ってくれるなどの日常的なちょっとしたサポートは、入院中のお見舞いと同じぐらい嬉しかったという患者さんもいます。

また、治療中はどうしても家の中に閉じこもりがちになってしまいます。そのような時は、短時間でいいので話し相手になってあげてください。たわいないおしゃべりでも、患者さんにとっては嬉しいものです。

【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生