RCC(腎細胞がん)についてRCC (腎細胞がん)はどんな病気?

腎臓は、みぞおちの高さの背中側に背骨をはさんで左右一対ある、ソラマメのようなかたちをした臓器です。血液をこして尿を 生成したり、血圧のコントロールに関するホルモンや造血に関するホルモンを産生するなどの働きをしています。

成人の腎臓にできる悪性腫瘍のうち、最も多いものがRCCです1)。日本人のRCC 患者は人口10万人に6人ほどで、50歳から70歳代に多く発生しています2)。静脈の中に腫瘍が広がる(腫瘍血栓)傾向が強く、肺、骨、肝臓、脳、リンパ節など他の臓器への転移を生じやすいがんでもあります3)

なお、RCCは、喫煙者や肥満、高血圧の人に多く発症するということがわかっています3)。また、遺伝子解析が進み、RCC を発生しやすい遺伝子変異が報告されています4)。予防法に関するさまざまな研究も行われており、治療法としては、手術、免疫療法、分子標的薬などによる治療が用いられています5)

1)Wong-Ho Chow et al.: Nat Rev Urol. 7(5): 245–257. 2010

2)国立がん研究センター「がん情報サービス」腎細胞がん 患者数
https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/patients.html 2022/7/22参照

3)新臨床腫瘍学 改訂第5 版 がん薬物療法専門医のために 日本臨床腫瘍学会編 南江堂 32 章 腎細胞癌 p492-499

4) 日本泌尿器科学会: 腎癌診療ガイドライン 2017 年版(2019 年小改訂) 総論 遺伝因子

5) 国立がん研究センター「がん情報サービス」腎細胞がん 治療
https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/treatment.html 2022/7/22参照

監修:慶應義塾大学病院 泌尿器科 教授
大家 基嗣 先生

更新年月:2022年11月

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