急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ治療法-化学療法

急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ治療法-化学療法

急性白血病は進行が早いため、診断されるとすぐに治療を開始します。急性リンパ性白血病(ALL)の治療の目的は、増えている白血病細胞をなくし、正常な血液細胞を増やすことです。白血病細胞は血液により骨髄中から全身に運ばれているため手術はできません。そこで、複数の抗がん剤を組み合わせておこなう化学療法や、造血幹細胞移植を行うことにより全身の白血病細胞を段階的に減らしていきます。治療中は骨髄穿刺により白血病細胞の量を調べ、治療の効果を判断します。

白血病細胞を減らす治療を行うと、治療に伴う副作用や合併症が現れる可能性がありますので、それらの治療も合わせて行っていきます。

化学療法の流れ

急性白血病の治療では「完全寛解」という言葉をよくつかいます。完全寛解とは、骨髄中の白血病細胞の割合を5%以下に減らすことで、白血病細胞が暴れることができない状態に持っていくことです。早く完全寛解の状態になるほど、その後の治療経過が良いため、速やかに治療を進めます。完全寛解の状態では血液検査をしても白血病細胞は検出されません。また、白血球、赤血球、血小板の数も正常レベルまで増えるため、完全寛解になれば急性リンパ性白血病(ALL)の症状はなくなります。急性リンパ性白血病の治療は完全寛解を目指し、寛解導入療法、地固め療法、維持療法の3つのステップで進められます。

図.ALL治療の流れ

寛解導入療法

治療の最初の段階は「寛解導入療法」です。複数の抗がん剤を用いて、白血病細胞を一気に減らすことを目標にします。寛解導入療法は3~4週間ほどかかり、入院して行います。大量の抗がん剤を用いる、強力な治療法である分、多くの患者さんは薬の副作用や合併症を経験します。副作用に関してはこちらをご覧ください。

通常の寛解導入療法により、およそ8割の患者さんは完全寛解を得られます。ただし、完全寛解が得られても、白血病細胞が完全に体から無くなったわけではありませんので、放っておくと再発の恐れがあります。そこで、完全寛解が得られた後に、さらに白血病細胞を減らすために「地固め療法」を行います。

図.寛解導入療法

地固め療法

2つ目のステップは「地固め療法」です。地固め療法は、完全寛解が得られた後、入院したまま行う化学療法であり、寛解導入療法により5%以下になった白血病細胞をさらに減らすことで再発を予防します。地固め療法では、寛解導入療法でもちいた複数の抗がん剤を続けながら、別の種類の抗がん剤も加えて数ヵ月間治療を行います。

維持療法

3つ目のステップは維持療法です。完全寛解を維持するためにおこなう治療であり、主に外来で、少量の抗がん剤による治療を1~2年間続けます。一連の治療により完全寛解の期間が長くなるほど再発しにくくなり、完全寛解が5年以上続けば急性リンパ性白血病(ALL)は「治癒」したと考えます。

中枢神経浸潤予防

急性リンパ性白血病(ALL)では白血病細胞が中枢神経系(脳や脊髄)に浸潤しやすく、頭痛や吐き気の症状が現れることがあります。浸潤しているかどうかは、腰に細い針を刺して脳脊髄液を取り、白血病細胞の有無を調べることで確認します。

脳脊髄液検査で白血病細胞が見つかれば、中枢神経に浸潤している白血病細胞を減らすための治療を繰り返し行います。脳脊髄液に抗がん剤を注入する「髄注」のほかに、脳に放射線を照射する治療を行うことがあります。脳脊髄液検査で白血病細胞が見つからない場合でも、予防のための髄注を地固め療法と同時期に行います。

再発・治療抵抗性急性リンパ性白血病(ALL)

成人の急性リンパ性白血病(ALL)患者さんには、治療を受けて完全寛解が得られた後に再発する場合や、初回の治療に対して抵抗性である(治療をしているのに病気が改善しない状態)場合があります。

完全寛解が得られてからの血液検査や骨髄検査により再発が確認された場合は、もう一度完全寛解を得るための化学療法を行います。再発の状態によって、以前受けた寛解導入療法とは別の化学療法を用いることがあります。

また、再発・治療抵抗性の患者さんは、通常の化学療法によって長期的な効果を得ることが難しいとされています。そのため、寛解導入療法の後に、可能であればドナーから提供された造血幹細胞を移植する治療(同種移植)を行います。

図.再発後の一般的な治療法

ページの先頭へ戻る

市民公開講座のご案内

『肺がんを学ぶ~目指せ患者力アップ!~市民公開講座』のご案内(参加無料、事前申込制)

今後このお知らせを表示しない

閉じる

-->