家族ができるサポート

特別なことではなく、日常にほんの少しをプラスする

家族の誰かが「がん」と診断されたとき、多くの人が「がんを抱えてこんなに苦しんでいる家族と、これからどうやって向き合っていけばいいんだろう……」と悩むことでしょう──まずはその、「がん患者さん=いつも心と身体に想像を絶する苦しみを抱えている」と思い込むことからやめてみてください。

もちろん病気の状況によっては、気持ちが沈むことも、身体がつらいこともあるでしょう。しかし、人間はひとつの気持ちをずっと持ち続けることはできません。良くも悪くも、自分の置かれた状況に慣れ、一日の中でも、気の緩む瞬間や、楽しみを感じる瞬間は必ずあるものです。

だから、家族が患者さんのためにできることは、今までの日常にほんの少しの気配りを加える、ということです。具体的にいくつかご紹介します。

患者さんの話をよく聞き、気持ちに寄り添う

病気の状況や、身体のコンディションによって、患者さんの心や気持ちは日々変わります。つい愚痴や不安を口にしてしまうこともあるでしょう。逃げ出したい思いもあるかもしれません。そんなときでも、とにかく話をじっくり聞くようにしましょう。

気をつけないといけないのは、「答えを探そうとしない」こと。悩みや問題を抱えている人には、ついつい解決策を提案してしまいがちですが、患者さんが必要としているのは「聞き役」です。患者さんの気持ちを受け止め、寄り添うように心がけてください。それは、長い時間をともに過ごしてきた家族にしかできない、かけがえのない役割のひとつです。

がんの情報を集め、自分に何ができるかを考える

家族の誰かが「がん」とわかったとき、多くの人が抱く感情のひとつに「無力感」があります。「今苦しんでいる家族のために、私がやってあげられることは何もない」と感じてしまうのです。しかし、そんなことはありません。自分なりに、できることはたくさんあるということを覚えておきましょう。

その代表的なものに、「情報集め」が挙げられます。自分の家族がどんな種類のがんなのか、治療法にはどういったものがあるのか、金銭面でサポートしてもらえる制度はないか──調べることは山ほどあります。不確定な将来についての不安を少なくするためにも、書籍やインターネット、講演会などで積極的に情報を集め、自分になにができるかを考えることが大切です。もし、調べた内容に疑問がある場合は、主治医に聞いてみることをおすすめします。

【参考文献】「家族がガンになったときすぐに知りたいQ&A」 矢沢サイエンスオフィス編 2006年
学習研究社 季羽倭文子著 2010年 池田書店
【監修】聖路加国際病院 緩和ケア病棟 ブレストセンター オンコロジーセンター ナースマネージャー 玉橋容子氏

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