不安を受け止める診断結果の上手な受け止め方日本人の2人に1人ががんにかかる時代になり、いつ誰ががんの診断を受けてもおかしくない状況の中、治療法も進歩し、従来に比べて生存率も改善されてきました。それでもやはり、がんと診断されてショックを受けない人はいないでしょう。がんの初期には自覚症状がないことが多いため、がんと診断されたとき、ほとんどの人は元気で何も病気などないように感じています。それだけに、「こんなに元気なのに、がんだなんて信じられない!」と、受け入れがたい気持ちになったり、「いったい私がどんな悪いことをしたっていうの?」と、がんにかかったことを罰のように感じてしまったり、「不摂生な生活をしてきたから、こんなことになったのでは……」と、自分を責めてしまったり、「仕事上の人間関係のストレスが原因だ」と人を攻撃したり、さまざまな感情に揺さぶられます。がんにかかっても生き生きと暮らしている人は世の中にたくさんいますが、やはり最初はショックで何も考えられない段階を経験しています。しかし、最初からがんとうまくつきあってきたわけではないのです。最初は大変なショックを受けて落ち込んでいたとしても、時間が経てば気持ちが落ち着いて、冷静に物事を考えられるようになってきます。誰もが、がんといわれると、先々の悪い事ばかり考え不安を抱いてしまいます。そんな時は自分の思いを誰かに聞いてもらうだけで落ち着きますし、自分の言葉で語ることで頭の中が自然に整理されてきます。どんな時でも周囲の人たちにあなたの素直な気持ちを伝えることであなたを大切に思う人たちが、みんな親身になって話を聞いてくれるでしょう。そのことで、何とか頑張ろうという気力も湧いてきます。そして、これから始まるがん治療の闘病生活を安心して元気に乗り切れるように、好きな人と楽しく食事したり軽い運動をしたり、今まで通りの日常生活を大切にするようにしましょう。【参考文献】「女性のがん 心のケア」大西秀樹著 2008年 土屋書店【監修】近畿大学医学部 血液・膠原病内科教授 松村到 先生更新年月:2024年7月ONC46O042A