がんとつきあう(がん治療の副作用)がん治療とリンパ浮腫ふしゅ(むくみ) リンパ浮腫は、一般的にあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、がん治療の副作用や後遺症としてはよく耳にする症状のひとつです。 がんの転移や再発を防ぐために行われる、がん周辺のリンパ節を取り除くリンパ節郭清(かくせい)と呼ばれる手術や放射線療法、一部の薬物療法によって、体内をめぐるリンパ液の流れが悪くなることで引き起こされる浮腫、つまりむくみのことを「リンパ浮腫」と呼びます※1, 2。手術後すぐにリンパ浮腫がみられることもあれば、10年以上経過してから現れることもあります※2。 年数を経て腕や脚にむくみが現れた場合、手術や治療による副作用や後遺症であることに気付かない可能性もあるので注意が必要です。リンパ浮腫を放置して重症化すると、日常生活にも支障をきたすため、予防や早期発見が重要になります。 リンパ浮腫は発症してしまうと根本的な対応が難しく、長期的に向き合っていく必要のある症状です※2。一方で、適切なケアを行えば、日常生活への影響をなるべく少なくして過ごすことが可能です。傷や感染に注意して、リンパ液の流れをスムーズにするケアは、リンパ浮腫の予防や症状の緩和につながります※2。 リンパ浮腫は通常のむくみではなく、がん治療に伴う副作用や後遺症です。そのため、「体がむくみやすいけれど水分の摂り過ぎかな?」などと自分で判断しないで、まずは医療スタッフに相談しましょう。 ※1 国立がん研究センター がん情報サービス 用語集 リンパ節郭清 https://ganjoho.jp/public/qa_links/dictionary/dic01/modal/lymph_setsukakusei.html 2023/1/16参照 ※2 国立がん研究センター がん情報サービス リンパ浮腫 もっと詳しく ~がんの治療を始める人に、始めた人に~ https://ganjoho.jp/public/support/condition/lymphedema/ld01.html 2023/1/16参照 【監修】帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科 渡邊清高 先生 更新年月:2023年10月 ONC46N003B