がんとつきあう(がん治療の副作用)口のなかに不快感がある時の食事の仕方 抗がん剤治療や放射線療法の影響により、口内炎が生じるほかにも、だ液の分泌が減って口のなかが乾燥することで食べ物が食べづらくなるだけでなく、味覚を刺激する物質を感じにくくなり、味覚変化を引き起こす場合があります※1,2。 食べづらさを感じる時には、以下を参考にご自分に合わせて工夫をしてみてください。 避けたほうが良い食べ物 熱い物・冷たい物、固い物、香辛料が強い料理、かんきつ類や酸味の強い料理は、口のなかを刺激するため、避けるようにしましょう※1-3。 食事の選び方や調理の工夫 できるだけ、口のなかを刺激しないように、食べ物や飲み物は体温に近い温度(35℃~38℃)に冷ましてから食べましょう※2,3。かまずに食べられて、のどごしの良いものを選ぶことでも、口のなかの刺激を減らすことができます※1。 以下のような工夫をすることによって、食事をとりやすくすることができますので参考にしてください。 主食は柔らかい軟飯、おかゆ、おじや、雑炊が食べやすいでしょう。パン食の場合はフレンチトーストやパンがゆなどにしましょう※2。 フライなどは、衣が口のなかを刺激するため、だし汁で煮たり、卵とじにしたりしましょう※2。 味付けが濃いものは刺激となるので、薄味にして、うま味をきかせましょう※2。 果物は、かんきつ類を避けて、おろしりんごやバナナシェイクなど酸度の弱いものを選びましょう※2。 固形物は、脂肪分を含んだマヨネーズなどであえたり、あんかけやとろみを加えたりして、なめらかに食べやすくしましょう※2。 のどごしの良いゼリー、ヨーグルト、プリンなどを取り入れてみましょう※2。 食事には、飲み物、汁物を組み合わせて食べましょう※2。 食べられない時は、栄養士に相談しながら、濃厚流動食(バランス栄養飲料)や栄養補助食品なども利用しましょう※3。 薬剤を含んだうがい薬で粘膜を保護することや、痛み止めを使うことによって、自分の口で食事をとることが可能となることもありますので※2、医療スタッフに相談してみましょう。 自分の口で食事をとれることは、生活のなかでの楽しみであるだけでなく、体力を維持し、がん治療の効果を得て、療養を続けていくためにも大切です※2。食べ物がしみる、飲み込みにくいなど、いつもと違う症状を感じた時には、医療スタッフに相談しましょう※3。 ※1 ≪がん看護実践ガイド≫がん治療と食事―治療中の食べるよろこびを支える援助. 監修; 日本がん看護学会, 医学書院, 2016年6月, 東京. ※2 がん研究振興財団 「多職種から学ぶ:がん看護の基礎(食事を支えるケア編)」 https://www.fpcr.or.jp/data_files/view/46/mode:inline 2023/4/14参照 ※3 国立がん研究センター がん情報サービス 口内炎・口内の乾燥 もっと詳しく https://ganjoho.jp/public/support/condition/stomatitis/ld01.html 2023/4/14参照 【監修】帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科 渡邊清高 先生 更新年月:2023年10月 ONC46N008C