通院治療と在宅療養在宅での療養生活や通院その他をサポートするサービス

訪問介護

疾病や障害により、本人や家族が食事や洗濯など家事を行うことが困難になったり、排泄や着替えなどの介助が必要になったりすることがあります。
そんなとき家事や調理の代行・支援(生活援助)、食事の介助や排泄支援(身体介助)などを、資格を持ったホームヘルパーが自宅を訪問して行ってくれる公的保険サービスが訪問介護です。

生活援助で受けられるサポート

  • 掃除
  • ゴミ出し
  • 洗濯
  • ベッドメイク
  • 衣服の整理・被服の補修
  • 一般的な調理、配下膳
  • 生活必需品の買い物
  • 薬の受け取り

身体介助で受けられるサポート

  • 排泄介助、食事介助、特段の専門的配慮をもって行う調理
  • 清拭(全身清拭)、部分浴、全身浴、洗面等、身体整容、更衣介助
  • 体位変換、移乗・移動介助、通院・外出介助
  • 起床・就寝介助
  • 服薬介助
  • 自立生活支援のための見守り的援助

ご家族だけでは介護が困難な場合や、家事を行う家族がいない場合など、本人や家族の状況に応じてサポートが受けられます。

訪問介護の生活援助では利用者の日常生活に必要な家事を支援しますが、介護保険でできる行為とできない行為が存在します。また、身体介護の行為を含まない生活援助だけを行うサービスの場合、介護度ごとに1ヵ月で利用できる回数の上限が定められおり、それ以上の回数を利用する場合は市町村への届け出が必要になるため、サービス提供する際は介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談すると良いでしょう。

配食サービス

自分で調理が難しい場合や、小さな子どもを抱え食事の準備が大きな負担になることがあります。
そのような場合、自宅に栄養バランスの取れた食事を宅配してくれる、配食サービスを利用するのも一つの方法です。家族の分も含め、配食サービスを利用することで、家事の負担を軽減することもできます。

福祉用具貸与

がんにより、身体の状態が変わり、移動に何かしらの介助が必要となった際に、安心して療養できる環境を作るために利用できるのが、福祉用具の貸与サービスです。
車いすや介護ベッド、床ずれ防止用具、体位変換器、移動用リフト、手すり、スロープ、歩行器、つえ、自動排泄処理装置など、さまざまな福祉用具がレンタルできます。
レンタルばかりでなく、排泄や入浴関連の福祉用具は介護保険などの制度を利用して購入できるものもあります。
どのような福祉用具が必要となるかは、患者さんの希望や住環境、疾患部位により異なります。がん相談支援センターのソーシャルワーカーに相談すると、ケアマネジャーやリハビリ専門職と共に家の中の環境や患者さんの動線を考えた上で、住宅環境の整備(リフォーム)や必要な福祉用具の手配を行ってくれます。

送迎サービス

通院治療においては、交通手段の確保が課題となることが少なくありません。通院をサポートする送迎サービスには、「介護タクシー」「福祉タクシー」「民間救急車」などがあります。
介護タクシーも福祉タクシーも車いすやストレッチャーに乗ったまま利用できます。介護タクシーの乗務員は介護職員初任者研修修了(旧ホームヘルパー2級)以上の資格を持っていますので、自宅での外出支度の手伝いや車への乗降の介助のほか病院内の付添いができる場合もあります。
民間救急車は、所轄の消防局の認定を受け、緊急性がない場合の病院搬送を行うもので、車いすやストレッチャーに乗ったまま利用できます。乗務員は応急手当の講習を修了し、車両には酸素供給装置、吸引装置、心電計、血圧計、点滴管理用資器材、AEDなど医療資器材が搭載されていることが、介護タクシーや福祉タクシーとの違いです。
各々かかる費用も異なりますので、利用する場合は、病院の相談室に尋ねるとよいでしょう。

地域のボランティア

地域のボランティアには、通院治療をしている方の通院送迎のサポートや付添い、散歩などや、入院中あるいは通院困難で在宅療養中の患者さんの話し相手や読書本のページ送りなど、がん患者さんの手助けや心の安らぎになる、さまざまなボランティア活動が行われています。詳しくは、市区町村の窓口に問い合わせるとよいでしょう。

2024年6月現在の情報を元に作成

【監修】国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター
副センター長 坂本はと恵氏

更新年月:2024年10月

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