高額療養費制度 適用ルール治療費を支援する制度高額療養費制度について動画でご覧いただけます高額療養費制度の計算方法には、ルールがあります。① 支払った医療費の領収書を医療機関別に条件に応じて分類します。② 分類した領収書の自己負担額を病院・クリニック・薬局など医療機関ごとに合計します。③ 同一月に、複数医療機関の受診がある場合は、各医療機関等の自己負担額をさらに合算します。④ 自己負担限度額を計算します。⑤ 自己負担額が自己負担限度額を超えた場合、高額療養費の申請対象です。高額療養費制度における、自己負担額の合算の定義高額療養費の計算をするには、医療費の領収書を以下の条件に応じ、分類します。① 受診者ごと② 医療機関ごと (院外処方せんにおける薬剤費等は、その処方せんを発行した医療機関における自己負担額と合算できます。)③ 医科ごと、歯科ごと 同一医療機関でも医科と歯科の医療費は別扱いになります。④ 入院ごと、外来ごと 同一の医療機関の同じ科にかかった場合でも、入院と外来の医療費は別扱いになります。自己負担額の合算上記のルールで分類した自己負担額をそれぞれ合算します。自己負担額の合算対象は、保険診療で患者さんが支払った医療費(3割)の金額です。保険外診療の費用や入院中の食事代等などは対象外です。自己負担額の合算例1医療機関における1ヵ月の自己負担額の合計9万円※1 先進医療は、健康保険等が適用されないため高額療養費制度の対象にはなりません。複数の医療機関等の自己負担額の合算高額療養費の申請では、同一の医療機関の自己負担額(院外処方における薬剤費等)が上限額を超えない場合でも、他の医療機関等の医療費や、同じ世帯の同じ公的医療保険に加入している方の医療費についても、合算することができます。(70歳未満の場合は、それぞれの自己負担額が21,000円以上であることが必要です。)ひとりの人が同一月に複数医療機関等に受診した場合の合算例(70歳未満の方の場合)複数医療機関における自己負担額の合計21万円※2 自己負担額が21,000円に満たないため、合算対象になりません。ただし、70歳以上は21,000円に満たなくても自己負担額を合算できます。同一世帯の複数人が複数医療機関等に受診した場合の合算例(同じ公的医療保険に加入している場合に限る)世帯における自己負担額の合計10万円※2 自己負担額が21,000円に満たないため、合算対象になりません。ただし、70歳以上は21,000円に満たなくても自己負担額を合算できます。自己負担限度額自己負担限度額は、医療費の負担を軽減するため、年齢や所得に応じて設けられている、患者さんが支払う医療費の上限です。自己負担限度額の算出方法自己負担限度額は、年齢や所得区分に応じて、以下の計算式により算出されます。70歳未満の方の自己負担限度額適用区分ひと月の上限額(世帯ごと)ア年収約1,160万円~健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額83万円以上国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得※901万円超252,600円+(医療費-842,000)×1%イ年収約770~約1,160万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額53万~79万円国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得※600万~901万円167,400円+(医療費-558,000)×1%ウ年収約370~約770万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額28万~50万円国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得※210万~600万円80,100円+(医療費-267,000)×1%エ年収~約370万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額26万円以下国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得※210万円以下57,600円オ住民税非課税者35,400円※旧ただし書き所得前年の所得総額から必要経費や給与所得控除、公的年金等控除及び住民税の基礎控除等を差し引いた額のこと※住民税の基礎控除額は43万円70歳以上の方の自己負担限度額(平成30年8月診療分から)適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)外来(個人ごと)現役並み年収約1,160万円~標報83万円以上/課税所得690万円以上252,600円+(医療費-842,000)×1%年収約770万円~約1,160万円標報53万円以上/課税所得380万円以上167,400円+(医療費-558,000)×1%年収約370万円~約770万円標報28万円以上/課税所得145万円以上80,100円+(医療費-267,000)×1%一般年収156万~約370万円標報26万円以下課税所得145万円未満等18,000円(年14万4千円)57,600円住民税非課税等II 住民税非課税世帯(※1)8,000円24,600円I 住民税非課税世帯(※2)(年金収入80万円以下など)15,000円※1 被保険者が市区町村民税の非課税者の場合※2 被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費など(公的年金については控除額80万円)を差し引いた後の所得がない場合自己負担限度額の計算例自己負担限度額を算出するには、まず、医療費の総額を計算します。医療費の総額とは、保険診療にかかる費用の総額(10割)です。複数の医療機関等に受診した場合は、自己負担額の合算ルールに基づき医療費の総額を算出します。自己負担額の合算ルールはこちら例)自己負担額:12万円、所得区分:標準報酬月額28万~50万円の場合直近12ヵ月間で既に3回以上高額療養費制度を利用した場合(多数回該当)同じ世帯(同じ公的医療保険に加入している方)で当月を含む、直近12ヵ月間に既に3回以上高額療養費が支給されている場合は、その月以降の自己負担限度額がさらに引き下がります。そして4回目から多数回該当が適用になります。ただし、健康保険組合から国民健康保険に加入するなど、保険者(健康保険組合、協会けんぽ(全国健康保険協会)、共済 組合、国民健康保険など)が変わった場合には支給回数は通算されません。高額療養費制度の多数回該当直近12ヵ月間に3回以上高額療養費が支給されている為、12月は多数回に該当する。多数回該当の自己負担限度額70歳未満の方の自己負担限度額適用区分3回目までの自己負担限度額4回目以降の自己負担限度額年収約1,160万円~健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額83万円以上国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得901万円超252,600円+(総医療費‐842,000円)×1%140,100円年収約約770~約1,160万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額53万~79万円国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得600万~901万円167,400円+(総医療費‐558,000円)×1%93,000円年収約370~約770万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額28万~50万円国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得210万~600万円80,100円+(総医療費‐267,000円)×1%44,400円年収~約370万円健康保険組合等に加入の方:標準報酬月額26万円以下国民健康保険に加入の方:旧ただし書き所得210万円以下57,600円44,400円住民税非課税者35,400円24,600円※旧ただし書き所得所得総額から必要経費や給与所得控除、公的年金等控除及び基礎控除等を差し引いた額のこと70歳以上の方の自己負担限度額適用区分 3回目までのひと月の上限額(世帯ごと)4回目以降のひと月の上限額(世帯ごと)外来(個人ごと)現役並み年収約1,160万円~標報83万円以上/課税所得690万円以上252,600円+(医療費-842,000)×1%140,100円年収約770万円~約1,160万円標報53万円以上/課税所得380万円以上167,400円+(医療費-558,000)×1%93,000円年収約370万円~約770万円標報28万円以上/課税所得145万円以上80,100円+(医療費-267,000)×1%44,400円一般年収156万~約370万円標報26万円以下/課税所得145万円未満等18,000円(年14万4千円)(※3)57,600円44,400円住民税非課税等II 住民税非課税世帯(※1)8,000円24,600円-(※4)I 住民税非課税世帯(※2)(年金収入80万円以下など)15,000円-(※4)※1 被保険者が市区町村民税の非課税者の場合※2 被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費など(公的年金については控除額80万円)を差し引いた後の所得がない場合※3 前年8月1日~当年7月31日の期間の上限となります。※4 70歳以上で所得区分が「低所得者」の場合、多数回該当の適用はありません。基準日(7月31日)時点の所得区分が一般所得区分または低所得区分に該当する場合については年間上限の適用があります。計算期間(前年8月1日~7月31日)のうち、一般所得区分または低所得区分であった月の外来療養の自己負担額の合計が144,000円を超えた額が払い戻されます。多数回該当 適用例2017年12月: 直近12ヵ月間(2017年1月~2017年12月)に3回以上高額療養費が支給されている為、2017年12月は多数回に該当する。2018年8月: 直近12ヵ月間(2017年9月~2018年8月)に2回しか高額療養費が支給されていない為、 2018年8月は多数回に該当しない。2018年9月: 直近12ヵ月間(2017年10月~2018年9月)に3回以上高額療養費が支給されている為、 2018年9月は多数回に該当する。2018年11月: 直近12ヵ月間(2017年12月~2018年11月)に3回以上高額療養費が支給されている為、 2018年11月は多数回に該当する。【出典】以下のサイトを参考にしています。高額療養費制度を利用される皆さまへ【厚生労働省ホームページ】https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html 2024/4/20参照【Q&A】Ⅸ.税・社会保険料の額の試算 【厚生労働省ホームページ】https://www.mhlw.go.jp/stf/simulator_QA_9.html 2024/4/20参照高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費【全国健康保険協会ホームページ】https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31709/1945-268/ 2024/4/20参照70歳以上の方の高額療養費の上限額が変わります(平成30年8月診療分から)【全国健康保険協会ホームページ】https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb3160/sb3190/sbb3193/300725/ 2024/4/20参照関連リンク70歳をさかいに所得に応じて高額療養費の自己負担限度額が異なります。70歳以上の方専用のページを設けておりますので、以下のリンクよりご覧ください。70歳以上の方の医療費【監修】国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター/がん相談支援センター副センター長 坂本はと恵氏更新年月:2024年7月ONC46O005A医療費の総額医療費自己負担が3割の方は、それを10割に換算した金額が医療費の総額になります。(1割または2割負担の方も同様)保険者が支払う額(保険給付) 保険者が医療機関等に納める医療費です。患者さんには請求されません。保険者とは、国民健康保険や協会けんぽなど、患者さんが加入している保険をさします。高額療養費の支給額高額療養費の支給申請をすると、保険者から患者さんに払い戻される金額です。事前に限度額適用認定証を医療機関に提示することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。後から高額療養費を申請する手続きは不要になります。一定額(自己負担限度額)高額療養費制度で払い戻しを受けない部分です。
高額療養費の支給額高額療養費の支給申請をすると、保険者から患者さんに払い戻される金額です。事前に限度額適用認定証を医療機関に提示することで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。後から高額療養費を申請する手続きは不要になります。