がん患者さんのお悩み相談室:アピアランス編がん患者さんの靴選び

~がん患者さんのお悩み相談室~

Q.足のむくみやしびれで靴選びに困っています。

足のサイズにあったもの、足に負担をかけないものを選びましょう。

副作用によるむくみやしびれで、「これまで履いていた靴が入らない」という患者さんは多いようです。無理をして履くと、さらなる足のトラブルを招くので、足に負担をかけず、やさしく包んでくれる靴を選びましょう。

むくみにはむくんだ手足の挙上、「弾性ストッキング」「着圧ソックス」

「足のむくみに悩まされた」というがん患者さんは多いようです。とくにリンパ浮腫は、手術後、数年経ってから症状があらわれたという方も少なくありません。むくんだ手足を挙上することでむくみは軽減します。下肢なら寝るときに足の下に座布団などを使って体より上にしたり、上肢なら休憩時に腕を心臓より高い位置に置いておくといいでしょう。
リンパ浮腫に対しては、医療用の「弾性ストッキング」や「弾性スリーブ」「弾性包帯」があり、医師の指示があるものに対しては保険が効きます。ただし、「年2回、計4セット」までという上限があり、一旦、全額を支払ったうえで、必要な書類を揃えて申請する必要があるので、領収書などはなくさないよう、しっかり保管しておきましょう。
そのほか、市販の着圧ソックス、着圧タイツを使用していたという方も。値段も手ごろで、医療用の弾性ストッキングよりは締めつける力が弱いものの、「一日中履くには医療用だと強すぎるので、市販のものがちょうどいい」ということもあり、愛用していたという声は多いようです。

やさしく包んでくれる靴を

足がむくんでいるときには、靴選びも大切。むくみのあるときに窮屈な靴を無理して履いていると、靴のなかで足が当たって傷ができたり、甲が擦り切れてしまったりします。むくみのほか、しびれや巻き爪、足の裏のただれといったトラブルもあるでしょう。靴は、脱ぎ履きがしやすく、軽く、調整ができて、足に負担のないサイズのものがおすすめです。足首の辺りをしめつけないよう、靴下選びにも気をつけましょう。

スニーカー

・介護シューズ
・ウォーキングシューズ、ランニングシューズ
・ムートンブーツ
・ファスナー付きの紐靴

などは、柔らかくやさしく足を包み込んでくれます。

紐靴は自分で調整ができるというメリットがある反面、手にしびれがあると紐を結ぶのが大変です。横にファスナーがついているタイプであれば、ファスナーの上げ下げで脱ぎ履きができるので便利ですし、ビジネスやフォーマルな場面でも活躍してくれますね。

仕事用の靴は?

仕事用の靴では、履きやすさだけではなく、見た目も大切です。「スーツに合う靴」が必要となる方も多いことでしょう。靴底が黒色のランニングシューズやウォーキングシューズであれば、スーツ姿でも違和感なく、ピッタリ決まります。 女性の場合、治療前に履いていたパンプスやハイヒールが履けなくなったという方は多いもの。とくに術後は、むくみやしびれがなくても、足底がかたいパンプスやハイヒールは、歩くときの振動が術後の傷に響いて、歩きづらいようです。無理をせずに、前述のような歩きやすい靴を探すのが理想ですが、もしも、仕事上、「パンプスが必須」「少しヒールのある靴を履かなければいけない」というときには、インソールを工夫しましょう。

インソールも大切

インソールは、千円程度でも売られていますが、価格は少し高めでも自分の足に合うものを選ぶことをおすすめします。最近では、熱で温めてやわらかくしたあとに自分の足の形に合わせて再形成する“熱成形タイプ”のインソールも、1万円未満のものが出ています。 また、総合スポーツショップに行くと、各種メーカーのインソールがサイズ違いで揃っているので、もう少し手頃な価格で自分に合うものを探すことがでるかもしれません。試し履きをしながら、足が楽になるものを探しましょう。

あなたの治療をサポート

【リンパ浮腫治療のための療養費申請】
医師による「弾性着衣等装着指示書」や領収書など、申請に必要な書類を揃えます。申請先は、あなたが加入している公的医療保険(国民健康保険→市区町村の窓口、健康保険組合→勤務先 など)です。どの保険に加入しているかは、健康保険証に記載されていますので確認してみましょう。

【左右で違うサイズの靴を】
足にむくみやしびれがあると、感覚が鈍くなり、転倒する危険性がありますので、自分の足のサイズに無理なく合った靴を選ぶことは大切です。最近では、左右でサイズが違う靴が選べる店舗もあります。靴合わせの知識が豊富なシューフィッターに相談してみるのも、ひとつの方法でしょう。

【監修】神奈川県立がんセンター 乳腺内分泌外科 部長 山下 年成先生