乳がんの検査と診断超音波(エコー)検査

超音波検査では、乳房に超音波を当て、その反射波を画像に映し出すことで乳房内部の状態を知ることができます。乳房内の病変の有無、しこりの大きさ、わきの下など周囲のリンパ節への転移の有無などを調べます。検査にはだいたい10分前後かかります。

検査は、上半身の衣服を脱いで、診察台に仰向けに寝て行います。乳房にジェルを塗り、プローブと呼ばれるセンサーを当てて、上下左右に動かしながら、モニターに乳房の断層面の画像を映し出します。乳腺が発達している若い世代でもしこりが見つけやすく、小さなしこりも発見できるのが特徴です。一方、乳がんの石灰化を画像に映し出すことは難しく、がんの性状によっては見落とされる可能性があります。乳腺線維腺腫や乳管内乳頭腫といった、がんではない良性のしこりも画像に映るため、良性か悪性かを見分ける際には、医師や検査技師の技術が問われます。

最新の超音波診断装置では、乳腺のしこりの血流や硬さも評価できるようになっています。放射線被ばくがないため、妊娠中の女性でも安心して検査を受けることができます。痛みを伴わず、身体的苦痛がないのもメリットです。

【監修】筑波大学附属病院 乳腺・甲状腺・内分泌外科 准教授 坂東裕子 先生

更新年月:2024年10月

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