進行/転移・再発乳がんの治療局所進行乳がんの治療

局所進行とは

局所進行乳がんとは、がんが乳房表面の皮膚や胸壁に及んでいる場合や、炎症性乳がんの場合、鎖骨上リンパ節にまで転移が及んでいる場合であり、病期はⅢB、ⅢC期が当てはまります。

※ まれな乳がんの1つで、通常、しこりはみられないものの、腫瘍のある乳房の皮膚が赤くむくむ、熱感が伴うといった症状がみられます。

局所進行乳がんの治療の流れ

局所進行乳がんは、体のどこかに微小転移(目には見えない小さな転移)を伴う可能性が高いため、主に薬物療法を行います。薬物療法を行って乳房のしこりや腫れていたリンパ節が縮小した場合には、放射線療法や手術などの追加を検討します。

  • 化学療法
  • ホルモン療法
  • 分子標的薬による抗HER2療法
  • その他の分子標的薬による治療

【出典】日本乳癌学会編: 乳腺腫瘍学 第2版 金原出版: 145, 2016より作成

薬物療法※1

ホルモン受容体陽性の場合は、ホルモン療法を行います。HER2陽性の場合は、抗HER2薬と抗がん薬を併用します。トリプルネガティブの場合は、術前もしくは術後に抗がん薬治療を行います。最近では、免疫チェックポイント阻害薬を術前から併用することもあります。

手術・放射線療法※2

まずは、手術できるようにするために薬物療法を先に行います。薬物療法を行った後に手術できるようになった場合には、手術や放射線療法を行うことを検討します。

※1【出典】日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 初期治療について-初期治療としての薬物療法 Q29 金原出版: 113-115, 2023

※2【出典】日本乳癌学会編: 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 治療を受けるにあたって Q15 金原出版: 60-63, 2023

【監修】相良病院 相良安昭 先生

更新年月:2024年10月

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