これからがんで入院するあなたへ 先輩患者の「あると便利」、教えます!
いよいよ入院です。でも、いざ入院の準備を始めてみると、何を持っていけばよいのか悩みます。
初めてがんの治療で入院するという人にとって、入院生活はわからないことばかりですね。入院中の持ち物も悩むことの一つです。ここでは、先輩患者さんに聞いた「あると役立つもの」をご紹介します。なかには院内の売店で購入できたり、病棟で借りられたりするものもあるので、事前に確認しておきましょう。
入院中ならではの使い方も
入院前、病院から「入院に必要な持ち物リスト」が渡されます。
病院によって違いはありますが、具体的には、洗面用具/洗髪用具/食事道具(箸、スプーン、コップ・湯呑など)/衣類(下着、寝間着など)/フェイスタオル・バスタオル/室内履き/印鑑/お薬手帳 など。つまりは、最小限の日用品です。
このうち、バスタオルはベッドに敷いたり、枕に巻いたりするときに重宝します。入院中のシーツ交換は週1回が基本ですので、シーツの上にバスタオルを敷いておけば、汗をかいたり、汚れたりしたときに簡単に交換ができ、気持ちよく過ごすことができます。一方、体を拭くためには、バスタオルよりも、小さなフェイスタオルのほうが乾きやすくて便利です。
また、がんの手術後は、普段何気なく手にするようなものでも重く感じがちになります。湯呑やマグカップなどは、軽いものを選びましょう。
入院に必要な持ち物リストにないけど、あると便利なもの
そのほか、「持っていったら役立った!」というものもあります。
- ティッシュペーパー:痰が出たり、鼻水が出たり、普段以上に使うことも
- ウェットティッシュ:手を拭く、汚れを拭くなど、何かと便利
- ビニール袋:ゴミ箱代わりになります。ジップロックなどの小袋も、食べものを冷蔵庫に保存するときなどに便利
- S字フック:ベッドの柵にかけて身の回りのものをつるしておくために
- 付箋紙、メモ用紙:ちょっと病室を離れるときの連絡用に
- ストロー:横になったままでも飲めるような、ペットボトル用ストローキャップ
このほか、消臭剤(無臭のもの)、洗口液、院内の移動用の小さなバッグ・風呂敷、湯呑用の蓋、書類を挟むクリアファイルなども、あると便利なグッズです。100円均一ショップで購入できるものも多いので、覗いてみてはいかがでしょう?
がんで入院中、何を着ている?
入院中の寝間着は、自分のものを持参した人もいれば、病院から借りた人もいます。レンタルは有料ですが、洗濯する必要がない、汗をかいたり汚れたりしたら新しいものに交換してもらえる、上下で違うサイズを選べる(がんの手術後は腫れやむくみでサイズが変わることもあります)といったメリットがあります。一方で、「自分の寝間着がいい」という人も。その場合は前開きで、肌に優しい素材の、ウエストのゴムが緩い、ゆったりとしたものを選びましょう。
また、がんで入院中は寝間着のままのため、検査に行くときなど、羽織物があると便利です。点滴の邪魔にならないよう、ベストやポンチョ、袖部分がゆったりしたデザインのものがおススメです。
このほか、T字帯(手術時に使用)や弾性ストッキング、乳がん治療後の下着(片胸帯や前開きブラ)は入院後に病院で購入するケースが多いようです。また、がんの治療によってはパッド(尿漏れパッド、生理用パッド、大人用おむつなど)が必要なこともあります。これらは受ける治療によって異なるので、事前に主治医や看護師に聞いておくといいでしょう。
【監修】福島県立医科大学 腫瘍内科学講座 主任教授 佐治 重衡 先生
更新年月:2022年11月
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