急性リンパ性白血病(ALL)を学ぶ分子標的療法の副作用1,2

急性リンパ性白血病(ALL)の患者さんにとって、治療の副作用は時に辛いものですが、適切な対応によって克服できます。ここでは代表的な副作用とその対策例をご紹介します。

吐き気および嘔吐

嘔吐や吐き気が長く続いて、食欲が低下することがあります。脱水症状予防のため、水分を十分に摂りましょう。特に胃に長く留まる脂肪性食品の摂取を控えましょう。症状が強い場合は吐き気止めの薬を用いることがあります。すぐに医師や看護師に相談しましょう。

下痢

辛い物や刺激の強い食べ物、油っこい料理は控えます。下痢が続くときは水分やナトリウム、カリウムといった電解質が多く失われるので、脱水症状を防ぐためにスポーツ飲料、経口補水液を摂取するよう心がけましょう。症状が強い場合には下痢止めの薬を用いることがあります。医師や看護師に相談し、適切な処置を受けてください。

皮膚の発疹

皮膚へのダメージを避けるため、直射日光を避けて日焼けを防ぎ、熱い湯に触れないように注意します。保湿も心がけましょう。皮膚への刺激の少ない綿素材の肌着を着用しましょう。症状が強い場合にはかゆみ止めの薬を用いることがあります。医師や看護師に相談しましょう。

むくみ、体重増加

食塩制限、利尿薬、ステロイド外用薬の使用で改善する場合があります。体液貯留(腎臓から尿として排出される塩分や水分が体内にたまった状態)をチェックするため、定期的に体重を測定します。むくみや体重の変化が気になる場合には、医師や看護師に相談しましょう。

筋肉痛・筋肉のけいれん

ビタミン、ミネラルを豊富に含んだ食品を摂り、適度に筋肉を伸ばしマッサージをするとよいでしょう。症状が強い場合には、医師や看護師に相談しましょう。

発熱

免疫力が低下し、細菌などによる感染症を起こす可能性があります。感染症を予防するために、手洗いやうがいを心がけ、外出するときはマスクをつけましょう。状態によっては抗菌薬や、体の白血球数を増やす薬(G-CSF)による治療が必要になります。発熱した場合には、すぐに医師や看護師に相談してください。

1. 医療情報科学研究所 編集.薬がみえるvol.3.メディックメディア.2016

2. 西脇嘉一.慢性骨髄性白血病6 チロシンキナーゼ阻害剤:副作用のマネージメント.診断と治療のABC 113:131-141,2016