急性骨髄性白血病(AML)を学ぶ分子標的療法の副作用1-4

急性骨髄性白血病(AML)の患者さんにとって、治療の副作用は時に辛いものですが、適切な対応によって克服できます。ここでは代表的な副作用とその対策例をご紹介します。

吐き気および嘔吐

嘔吐や吐き気が長く続いて、食欲が低下することがあります。脱水症状予防のため、水分を十分に摂りましょう。特に胃に長く留まる脂肪性食品の摂取を控えましょう。症状が強い場合は吐き気止めの薬を用いることがあります。すぐに医師や看護師に相談しましょう。

下痢

辛い物や刺激の強い食べ物、油っこい料理は控えます。下痢が続くときは水分やナトリウム、カリウムといった電解質が多く失われるので、脱水症状を防ぐためにスポーツ飲料、経口補水液を摂取するよう心がけましょう。症状が強い場合には下痢止めの薬を用いることがあります。医師や看護師に相談し、適切な処置を受けてください。

皮膚の発疹

皮膚へのダメージを避けるため、直射日光を避けて日焼けを防ぎ、熱い湯に触れないように注意します。保湿も心がけましょう。皮膚への刺激の少ない綿素材の肌着を着用しましょう。症状が強い場合にはかゆみ止めの薬を用いることがあります。医師や看護師に相談しましょう。

むくみ、体重増加

食塩制限、利尿薬、ステロイド外用薬の使用で改善する場合があります。体液貯留(腎臓から尿として排出される塩分や水分が体内にたまった状態)をチェックするため、定期的に体重を測定します。むくみや体重の変化が気になる場合には、医師や看護師に相談しましょう。

筋肉痛・筋肉のけいれん

ビタミン、ミネラルを豊富に含んだ食品を摂り、適度に筋肉を伸ばしマッサージをするとよいでしょう。症状が強い場合には、医師や看護師に相談しましょう。

発熱

免疫力が低下し、細菌などによる感染症を起こす可能性があります。感染症を予防するために、手洗いやうがいを心がけ、外出するときはマスクをつけましょう。状態によっては抗菌薬や、体の白血球数を増やす薬(G-CSF)による治療が必要になります。発熱した場合には、すぐに医師や看護師に相談してください。

骨髄抑制

骨髄の中には、白血球、血小板、赤血球などを作る造血幹細胞が存在します。造血幹細胞の分裂や増殖が阻害され、骨髄の造血機能が障害されることを骨髄抑制と言います。

QT間隔延長

心電図検査でみられる所見。QT間隔が延長すると、失神や突然死を引き起こすことがあります。

1. Perl AE, et al. N Engl J Med 381(18): 1728-1740, 2019

2. Cortes JE, et al. Lancet Oncol 20(7):984-997, 2019

3. 医療情報科学研究所 編集.薬がみえるvol.3.メディックメディア.2016

4. 医療情報科学研究所 編集.病気がみえるvol.2 循環器 第4版.メディックメディア.2018

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2020年11月