がんとつきあう(がん治療の副作用)便秘便秘とは便秘とは一般的に、大腸内の排泄物(便)の通過が遅くなったり、腸内に便が長時間とどまったりするなど、排便が順調に行われない状態のことをいいます。排便のない状態が3日程度続いたら、便秘だと思ってよいでしょう。また、1日1回排便があっても、量が少ないすっきり出た感じがない便が硬く、なかなか排泄できない排便の間隔が不規則などの状態があれば、便秘といえます。1日1回、バナナ2本分くらいの排便があるのが理想的です。がん患者さんの場合、投薬など治療の影響で腸の働きが抑えられ、便秘になることがあります。便秘が続くと、体調に影響が現れるのはもちろん、排便がないことがストレスになって、思わぬ不調が顔を出すこともあります。ここでは、がん患者さんができるだけ快適でストレスのない日々が送れるよう、上手に排便をコントロールするための方法やアドバイスをご紹介します。これらを参考に担当の医師と相談して、便秘に関する悩みを少しでも減らしていきましょう。関連リンク【国立がん研究センターがん情報サービス】さまざまな症状への対応-便秘~がんの治療を始めた人に、始める人に~※リンク先は、ファイザー株式会社のサイトを離れます。リンク先のサイトはファイザー株式会社の所有・管理するものではなく、ファイザー株式会社は、リンク先の内容・サービスについて、一切責任を負いません。医師に伝える症状のポイント便秘の場合、医師は下剤を処方して便秘を改善するなどの対処を行います。そのためには、患者さん自身が便の硬さ、色、形状など、便の状態や症状をできるだけ正確に医師に伝える必要があります。その際のポイントを以下にまとめました。便の硬さ、形状排便があったら、必ず便の硬さをチェックしてください。簡単に「硬い・普通・軟らかい・下痢」と述べるだけでも伝わります。便の異常便の硬さや形状以外に、以下のような異常がないか注意しましょう。便に血や粘液が混ざり、黒ずんだ便、赤っぽい便、灰白色の便が出る形の整った便が出ない、または便が細くなったこれまで便秘をしたことがないのに便秘をするようになった何をやっても便秘が改善しない肛門に強い痛みがあり便が出ない血便は痔による出血と勘違いしやすいため、注意が必要です。痔による出血は赤い鮮血ですが、がんによる血便の場合は暗赤色の血液が便に混じったり、黒い血の塊が出たりします。その他の症状便の異常以外に、便秘が原因で以下のような症状が現れる場合があります。腹痛、膨満感、食欲不振、吐き気などの腹部の異常肌荒れ、ニキビ、シミなどの肌の異常頭痛、めまい、肩こりなどの頭部の異常腰痛くさいオナラがやたら出る、口臭がくさい生活習慣を変えていないのに太ってきたおなかにしこりがある発熱過度のストレスを感じる特に、肛門から離れた部位にがんがある場合は、血便ではなく貧血や腹痛、腹部のしこりなどの症状が現れることが多いです。上記の中で気になる症状があれば、遠慮せず医師に伝えましょう。便秘解消と予防のための日常生活下剤に頼るだけでなく、日々の生活や食事を改善することも、便秘の予防や解消に役立ちます。便秘解消・予防のためのポイントを確認し、改善のヒントにしてください。食事について食物繊維の多い食事を摂る食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。食物繊維は消化されにくいため、便中に水分を蓄え、便の量を増加させてスムーズな排便を促します。食物繊維を多く含む食品たけのこ、ごぼう、きのこ類、こんにゃく、海藻、果物、穀物など脂肪を適度に摂取する脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。そのため、適度な脂肪の摂取は便秘改善に大変有効です。水分を十分に摂る水を飲む量が少なかったり、発汗が多かったりすると体内の水分が少なくなり、便が硬くなって、排出されにくくなります。便秘が気になる人は、1日にコップ7〜8杯ほどの水分を摂りましょう。特に、朝起きた時にコップ1杯の冷水や牛乳を飲むと、腸が刺激されて排便が促されます。3食きちんと食べる食事は1日のリズムに大きな影響を与えます。規則正しい3度の食事は、排便をスムーズにします。特に、朝の食事は排便の刺激を得るためにとても重要です。なお、きちんと食事をしていても、食事の量が少ないと便秘になります。適度な量を食べることも大切です。生活習慣について排便の習慣をつける毎日朝食後に、便意の有無に関わらずトイレに行きましょう。そうすることで自然と便意がもよおされるようになり、規則的な排便の習慣が作られます。なお、「便意があるのに排便しない」ということを繰り返していると、神経が麻痺し、便意を感じなくなってしまうので気をつけましょう。腹部を温める腹部や腰を温めると腸への血流が増加し、腸の動きが良くなり、排便が促されます。腹巻やカイロ、温灸などで腹部周りを温めたり、入浴時に腹部をマッサージしたりするとよいでしょう。腸をマッサージする腸のマッサージも便秘の解消に効果的です。以下の手順で行ってみてください。あお向けで腰の下に枕を入れ、腹部を伸ばします。人指し指から薬指までの4本指で、へその周りを「の」の字を書くように、右回りに約30回ゆっくり軽くマッサージします。 毎晩寝る前に行うとよいでしょう。適度な運動をする1日に10〜15分ぐらいの適度な運動をしましょう。体を動かすと、血流が良くなり腸の動きが活発になります。特に、腹筋の力が弱いと排便が困難になりますので、腹筋を中心に、バランスよく体を鍛えましょう。ストレスをためないストレスがたまると、交感神経、副交感神経のバランスが崩れて、腸の活動が低下します。日ごろからストレスをため過ぎないように解消方法などを見つけておきましょう。がん患者さんにとって便秘は、下痢と同様につらい症状です。自分だけで抱え込まずに、早いうちから医師に相談し、排便コントロール力をつけて快適な生活を送りましょう。【監修】帝京大学医学部内科学講座腫瘍内科 教授 渡邊清高 先生更新年月:2026年9月ONC46O045B便秘便秘とは医師に伝える症状のポイント便秘解消と予防のための日常生活