がんとつきあう(がん治療の副作用)便秘解消と予防のための日常生活下剤に頼るだけでなく、日々の生活や食事を改善することも、便秘の予防や解消に役立ちます。便秘解消・予防のためのポイントを確認し、改善のヒントにしてください。食事について食物繊維の多い食事を摂る食物繊維を多く含む食品を、積極的に食事に取り入れましょう。食物繊維は消化されにくいため、便中に水分を蓄え、便の量を増加させてスムーズな排便を促します。食物繊維を多く含む食品たけのこ、ごぼう、きのこ類、こんにゃく、海藻、果物、穀物など脂肪を適度に摂取する脂肪(油脂類)は腸粘膜を刺激し、便がスムーズに排出されるよう働きます。そのため、適度な脂肪の摂取は便秘改善に大変有効です。水分を十分に摂る水を飲む量が少なかったり、発汗が多かったりすると体内の水分が少なくなり、便が硬くなって、排出されにくくなります。便秘が気になる人は、1日にコップ7〜8杯ほどの水分を摂りましょう。特に、朝起きた時にコップ1杯の冷水や牛乳を飲むと、腸が刺激されて排便が促されます。3食きちんと食べる食事は1日のリズムに大きな影響を与えます。規則正しい3度の食事は、排便をスムーズにします。特に、朝の食事は排便の刺激を得るためにとても重要です。なお、きちんと食事をしていても、食事の量が少ないと便秘になります。適度な量を食べることも大切です。生活習慣について排便の習慣をつける毎日朝食後に、便意の有無に関わらずトイレに行きましょう。そうすることで自然と便がもよおされるようになり、規則的な排便の習慣が作られます。なお、「便意があるのに排便しない」ということを繰り返していると、神経が麻痺し、便意を感じなくなってしまうので気をつけましょう。腹部を温める腹部や腰を温めると腸への血流が増加し、腸の動きが良くなり、排便が促されます。腹巻やカイロ、温灸などで腹部周りを温めたり、入浴時に腹部をマッサージしたりするとよいでしょう。腸をマッサージする腸のマッサージも便秘の解消に効果的です。以下の手順で行ってみてください。あお向けで腰の下に枕を入れ、腹部を伸ばします。人指し指から薬指までの4本指で、へその周りをのの字を書くように、右回りに約30回ゆっくり軽くマッサージします。 毎晩寝る前に行うとよいでしょう。適度な運動をする1日に10〜15分ぐらいの適度な運動をしましょう。体を動かすと、血流が良くなり腸の動きが活発になります。特に、腹筋の力が弱いと排便が困難になりますので、腹筋を中心に、バランスよく体を鍛えましょう。ストレスをためないストレスがたまると、交感神経、副交感神経のバランスが崩れて、腸の活動が低下します。日ごろからストレスをため過ぎないように解消方法などを見つけておきましょう。がん患者さんにとって便秘は、下痢と同様につらい症状です。自分だけで抱え込まずに、早いうちから医師に相談し、排便コントロール力をつけて快適な生活を送りましょう。【監修】京都府立医科大学 呼吸器内科学 教授 髙山浩一 先生更新年月:2024年10月ONC46O045A