がんとつきあう(がん治療の副作用)がん治療とリンパ浮腫(むくみ)
リンパ浮腫とは、一般的にはあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、がん治療の副作用としてはよく耳にする症状のひとつです。
リンパ節郭清(切除)を伴う手術療法や放射線治療により、リンパ液の流れが悪くなって溜まり、腕や脚に生じる「むくみ」のことです。治療後すぐにリンパ浮腫が見られることもあれば、10年以上経ってから現れることもあります。
年数を経て症状が現れた場合は、治療の副作用であることに気付かないこともあるので、注意が必要です。重症化し、浮腫がひどくなると日常生活にも支障を来すため、予防や早期発見が肝心です。
一度発症すると、長期的に向き合っていかなければならないリンパ浮腫ですが、適切なケアを行うことで、日常生活を滞りなく送ることができます。傷や感染に注意し、リンパ液の流れをスムーズにする生活がリンパ浮腫を予防し、症状を緩和することにつながります。
リンパ浮腫は、通常の浮腫ではなく、がん治療の副作用であることを理解して、専門的知識のある医療機関と連携しながら、上手に付き合っていきましょう。
【監修】学校法人埼玉医科大学埼玉医科大学国際医療センター 乳腺腫瘍科 教授 佐伯俊昭 先生
更新年月:2020年9月