がんとつきあう(がん治療の副作用)口内炎の口腔ケアに関する注意点

口内炎と予防の重要性

口内炎は歯肉、舌、口唇、口角など、口腔粘膜のある部分に炎症がおきたものをいいます。

口内炎は疼痛を伴い、食べる量が減り、コミュニケーションの機能が下がり、QOL低下につながります。

口内炎になりやすい人とは

歯や歯肉の状態が不良(う歯、歯肉炎など)、口腔内の衛生状態が不良、糖尿病の合併、ステロイド併用、喫煙者などの場合に、口内炎ができやすいとされています。

口内炎になりやすい場合の対処法

化学療法や放射線療法の開始前や治療中には、できるだけ定期的に歯科医師を受診して、口腔内診査を受け、必要に応じて適切な治療を受けましょう。

重度の口内炎になった場合

痛みを取り除くために

痛みをとるための対症療法として、消炎、消毒を薬効とするうがい薬によるうがいの後にステロイドの軟膏や貼付錠を使用する方法もよいでしょう。ただし、カンジタ菌やウイルスによる口内炎もあるので、まずは、担当医に自分の症状を伝えてください。

口腔ケアの用具

綿棒やスポンジブラシなどの補助清掃用具を使用してもいいでしょう。

口内炎があるときは、歯磨き剤(歯磨き粉や液体歯磨きなど)は刺激になるので避けましょう。

口腔ケアの手順と注意点

ケアの手順は口角びらんがある場合は、口角にワセリンなどの軟膏塗布し、口腔内を湿めらせ、軽くブラシング、うがいをし、口腔清拭後に軟膏を塗布する順番で行うのがよいでしょう。

口角びらんがあるときは、大きく開口させると裂けて出血することがあるため注意しましょう。ブラシングはあまり力を入れずにヘッドを細かく動かすのがよいでしょう。汚れは歯頚部や歯間部、義歯装具者は義歯のばねに歯垢がたまりやすいので、補助清掃具を使用して清潔にしましょう。口内炎が強く無理な場合は、刺激のないぬるま湯などでうがいするだけでもよいでしょう。

義歯や取り外し可能な矯正装置を使用している場合の口腔ケア

義歯や矯正器具はいずれも定期的に取り外す必要があります。取り外したら、歯肉や口腔内をよく洗浄しましょう。義歯や矯正器具は、ブラシで磨き、よく洗ってから取り付けましょう。

市販の洗口液の使用

口内炎など炎症が起きているときは、市販の洗口液は使わないほうがよいでしょう。市販洗口液に含まれている成分が刺激となり、かえって症状を悪化させるおそれがあります。

市販洗口液は、以下に該当する場合のみ使用してください。

  • 口腔粘膜に異常がない
  • 過去2週間以内に粘膜に影響を及ぼす化学療法剤の投与を受けていない
  • 頭部または頸部に対する放射線療法を受けたことがない

【監修】がん研究会有明病院 乳腺センター 乳腺内科部長 高野利実 先生

更新年月:2021年2月