がんとつきあう(がん治療の副作用)吐き気(はきけ)・嘔吐(おうと)の原因

がんに伴う吐き気・嘔吐の原因には、次のようなものが挙げられます。

抗がん剤や分子標的薬などの薬物

吐き気・嘔吐を引き起こす原因としてよく知られているのが抗がん剤や分子標的薬などの薬物によるがん治療です。抗がん剤や分子標的薬などの薬物によって脳の嘔吐中枢が刺激を受けることで、吐き気・嘔吐を生じます。

抗がん剤や分子標的薬などの薬物治療による吐き気・嘔吐では、投薬直後に突然吐いてしまう、動くと吐いてしまう、乗り物に乗ると吐き気がするなどの症状が見られることもあります。

放射線療法

放射線治療によって壊された体内の細胞の成分が、血液や神経を通じて、嘔吐中枢を刺激することによって、吐き気・嘔吐が生じます。

精神的要因

治療に伴う緊張や不安、不快なにおい・音・味覚など精神的・心理的なことが引き金となって、吐き気・嘔吐が生じることがあります。これらの因子が大脳皮質を介して嘔吐中枢を刺激することで起こります。条件反射化がされやすいため、注意を要します。個人差が強いのも特徴です。さらに、治療そのものによる嘔吐を強める原因にもなります。

吐き気・嘔吐を生じやすい体質・要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 若年である
  • 女性である
  • 副作用に対する不安が強い
  • 前の治療で強い吐き気があった
  • 乗り物酔いをしやすい
  • 妊娠時につわりがひどかった
  • モルヒネなど併用している薬剤の有無
  • アルコールの常用の有無 など

吐き気・嘔吐は、治療の副作用はもとより精神的要因も大きな影響を与えることから、治療の前から予防・対策をしていくという視点も求められています。また、実際に吐き気・嘔吐を感じたら、医療スタッフに相談して、症状を和らげることが重要です。

【監修】独立行政法人国立病院機構南和歌山医療センター 呼吸器科 山本信之 先生

更新年月:2020年9月