肺がんの検査と診断がんの広がりを調べるための検査

他の臓器のCT検査、MRI検査※1

肺がんは、肺野や脳、骨、副腎など他の臓器に転移しやすいため、胸部CT、腹部CT、脳CT(もしくはMRI)の検査から転移の状態を確認します。それぞれの検査で得られた画像を組み合わせて診断します。

MRI(磁気共鳴画像)は骨を通過するという磁気の特性を利用することで、骨に囲まれた部位でも画像を得ることが可能です。脳、骨、副腎などの検査に使用されることがあります。

骨シンチグラフィー※1

ラジオアイソトープ(放射性同位元素)が異常のある部分に集まるという性質を利用して、骨への転移を調べる検査です。ラジオアイソトープを含むお薬を静脈から注射すると、骨にがんが転移している場合、その部分にラジオアイソトープが集まり放射線を放出します。この放射線をカメラでとらえて画像として描出するというわけです。

なお、骨折や骨の変形などでも画像が描出されることがありますので、診断には注意が必要です。

PET※1

PETは1回の検査で、全身のがんを発見でき、がんの進行具合もおおむね把握することが可能です。体内に、陽電子を含んだポジトロン核種を注射したのち、全身をスキャンして、細胞そのものの活動を撮影します。がん細胞が正常な細胞より活動性が高く、薬剤を取り込みやすいという点を利用した検査です。

近年、PETとCTを組み合わせたPET/CT装置や、MRIと合わせたPET/MRI装置も開発されています。

腫瘍マーカー※1

血液からがんの有無を調べる検査です。腫瘍マーカーの値が高くてもがんがない場合や、値が正常でもがんである場合もあるため、がんの進行度や治療効果を判定するのに有効と考えられています。CEA(がん胎児性抗原)やSLX(シリアルLex-i抗原)は腺がんの、SCC(扁平上皮がん関連抗原)やCYFRA21-1(シフラ)は扁平上皮がんの、NSE(神経特異的エノラーゼ)やProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)は小細胞肺がんの腫瘍マーカーとなります。

※1 渡辺俊一, 大江裕一郎, 伊丹純ほか: 国立がん研究センターの肺がんの本, 小学館クリエイティブ: 28-29, 2018

【監修】近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授 中川和彦 先生

更新年月:2021年9月