多発性骨髄腫(MM)を学ぶ治療の目標と治療の流れ

治療の目標

多発性骨髄腫の治療は、症状を伴う「(症候性)多発性骨髄腫」の患者さんに行われます1)。QOLを維持しながら、長期生存を目指すのが治療目標です2)

治療の流れ

多発性骨髄腫の治療は、薬を使用した治療(薬物療法)と造血幹細胞移植が中心です1)。これから多発性骨髄腫治療をはじめる患者さん(未治療の患者さん)については、造血幹細胞移植の適応があるか、適応がないかで治療方針が異なります1,2)。  
造血幹細胞移植の適応がある場合は、まず複数の薬を組み合わせた治療(寛解導入療法)後、採取、保存しておいた患者さん自身の正常な幹細胞を戻す自家造血幹細胞移植を行います。移植後は、ひとつの薬を長期間使用する維持療法を行います。また、造血幹細胞移植の適応がない場合や、患者さんが移植を希望されない場合は、薬物療法を行います。

図:未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療[出典1,2より作図]

初期の治療で効果がなかった場合や、治療効果を認めた後に再発した場合には、再発までの期間や、合併症や臓器機能など患者さんの状態を確認しながら、薬物療法を行います1,2)

【出典】

1) 神田善伸監修:ウルトラ図解 血液がん 法研:138-143, 2020

2) 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版 金原出版:386-389, 2023

【監修】 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター 血液内科 臨床研究部長 角南一貴 先生

更新年月:2024年4月

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