慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ検査と診断慢性骨髄性白血病(CML)かどうかを診断するためには、問診・触診、血液検査、骨髄検査、染色体検査、遺伝子検査、超音波検査などを行います1)。問診・触診1)問診:だるい、微熱がある、お腹が張るといった症状がないかを尋ねます。触診:腹部を触って、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫れがないかを調べます。血液検査1)【検査で調べること】赤血球、血小板、白血球の数。ほぼ全員の患者さんで白血球の数が増えます。また、白血球の一種である好塩基球の数も増えます。成長途中の未熟な血液細胞(芽球)の数ビタミンB12、尿酸、LDHなどの値が高くなったり、好中球アルカリフォスファターゼ(ALP)活性が下がることがあります。【検査の方法】腕などの血管に注射器を刺して血液を採取し、調べます。骨髄検査1-3)【検査で調べること】血液細胞の数や形の変化成長途中の未熟な血液細胞(芽球)の数【検査の方法】局所麻酔をして、専用の注射器を骨に刺し、骨髄液を採取します。この方法を「骨髄穿刺(マルク)」といいます。通常はうつぶせになった状態で、背中側から骨盤の大きな骨(腸骨)に針を刺しますが、胸骨から採取することもあります。採取した骨髄液を顕微鏡で観察します。染色体検査1-3)【検査で調べること】染色体の異常(フィラデルフィア染色体)【検査の方法】骨髄検査を行った場合は、骨髄液を用いて調べます。採血した血液から調べることもあります。遺伝子検査1-3)【検査で調べること】遺伝子の異常(Bcr-Abl遺伝子)【検査の方法】骨髄検査を行った場合は、骨髄液を用いて調べます。採血した血液から調べることもあります。超音波(エコー)検査【検査で調べること】1)肝臓、脾臓などの腫れの程度【検査の方法】1,4)腹部に超音波の出る機器を直接当て、超音波によって映し出された画像から肝臓や脾臓の腫れの程度を確認します。【出典】1) 永井正:図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫 法研:110-125, 20162) 医療情報科学研究所編:病気がみえるvol.5 血液 第3版 メディックメディア:21-33, 20233) 宮崎仁:もっと知りたい白血病治療 患者・家族・ケアにかかわるひとのために 第2版 医学書院: 17, 61-86, 20194) 国立がん研究センターがん情報サービス:超音波(エコー)検査とは2. 検査の方法[更新・確認日:2024年06月05日] https://ganjoho.jp/public/dia_tre/inspection/echo.html(2024/7/26参照)【監修】 金沢大学医学部血液内科 教授 宮本 敏浩 先生更新年月:2024年9月ONC46N018B