慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ治療効果の判定

治療効果の判定基準と検査方法1)

慢性骨髄性白血病(CML)の治療中は、定期的に効果を判定するための検査を行います。治療効果は、①血液検査骨髄検査、肝臓や脾臓の腫れなどによって判定する血液学的奏効(HR[エイチアール])、②骨髄液を用いた染色体検査によって判定する細胞遺伝学的奏効(CyR[シーワイアール])、③血液を用いた遺伝子検査によって判定する分子遺伝学的奏効(MR[エムアール])の3種類に大きく分類されます。残った白血病細胞の量は、①>②>③の順で少なくなります。

治療の進歩によって③分子遺伝学的奏効(MR)のレベルまで白血病細胞を減らせる患者さんが増えたこと、また通常の採血で検査でき、患者さんの身体的負担が比較的少ないことから、現在は③の血液を用いた遺伝子検査が中心となっています。

表:CMLの主な効果判定基準[出典1,2より作成]

CHR:Complete Hematologic Response(血液学的完全奏効)
CCyR:Complete Cytogenetic Response(細胞遺伝学的完全奏効)
DMR:Deep Molecular Response(深い分子遺伝学的奏効)

【出典】

1) 日本血液学会編:造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版.金原出版:99, 2023

2) 木村晋也:臨床血液 56(10): 2005-2014, 2015

【監修】 金沢大学医学部血液内科 教授 宮本 敏浩 先生

更新年月:2024年9月

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