慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ治療法
治療中はどのような検査で効果を調べますか?
治療効果は白血病細胞の減少レベルに応じて、血液学的検査、細胞遺伝学的検査、分子遺伝学的検査の結果から判定されます。治療効果が得られるにつれ、より感度の高い検査方法に変更していきます。
表.治療効果を判定するための検査
※表を左右にフリックしてご確認頂けます。
感度 | 検査名 | 検査の内容 | 採取部位 | 実施頻度のめやす* |
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血液学的検査 | 血液中の赤血球、血小板、白血球の数、白血球の種類を確認。 | 血液 | 血液学的寛解を達成するまでは1~2週間ごとに、その後は3ヵ月ごとに実施。 |
細胞遺伝学的検査 (FISH[フィッシュ]法、Gバンド法など) |
骨髄中の細胞20~100個から、フィラデルフィア(Ph)染色体陽性の白血病細胞を確認。 検査値は、Ph染色体陽性の白血病細胞の割合をパーセント(%)あるいは20個中のPh染色体陽性の白血病細胞の個数であらわされる。 (たとえば、20個中4個ならば20%、4/20となる。) |
骨髄液または血液 | 細胞遺伝学的寛解を達成するまでは、3、6、12ヵ月ごとに実施され、それ以降は12ヵ月ごとに骨髄中の細胞を用いて実施。 | |
分子遺伝学的検査(リアルタイムRT-PCR法など) | BCR-ABL遺伝子の量を測定。 検査値は、遺伝子のコピー数を国際指標で補正したパーセント(%)であらわされる。 |
血液 | 実施頻度は3ヵ月ごと、分子遺伝学的効果を達成した後は3~6ヵ月ごとに実施。 |
*検査や、検査を行う頻度は一般的な内容ですので、患者さんによって異なる場合があります。
参考文献 Baccarani, M. et al.:Blood 122(6):872-884, 2013
【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生
更新年月:2020年11月