慢性骨髄性白血病(CML)を学ぶ治療法

分子標的薬とはどのような薬ですか?

慢性骨髄性白血病(CML)の原因であるBcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)を狙い撃ちし、白血病細胞を減らす薬です。白血病細胞を狙うので、正常な細胞に大きなダメージを与えにくいという特徴があります。一方で、従来の抗がん剤とは違った副作用があらわれる可能性があります。
現在慢性骨髄性白血病(CML)の治療で用いられている分子標的薬には、第1世代から第3世代までの薬があります。第2世代の薬は、第1世代の薬を改良したもので、Bcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)への結合力や選択性が高くなっています。第3世代の薬は、これまでの治療で効果が得られなかった患者さんや、薬が効きにくくなってしまった患者さんでも有効性が期待できる薬として開発されたもので、2回目以降の治療で使用することができます1,2
現在、国内では第1世代の薬が1種類、第2世代が3種類、第3世代が1種類使用されています。第2世代以降の薬のなかには、Bcr-Abl蛋白(チロシンキナーゼ)と結合するだけでなく、慢性骨髄性白血病(CML)の進行に関係する他の蛋白(Srcチロシンキナーゼ)にも結合し、そのはたらきを妨げる薬もあります。
実際の治療方針は、患者さんの病態などによって決定しますが、現在では診断直後から第2世代の分子標的薬を用いることも可能になっています。

治療の画期的な進歩3-7

慢性骨髄性白血病(CML)が最初に報告されたのは1845年のことです。その後、1960年代にフィラデルフィア染色体が発見され、1980年代になってBCR-ABL遺伝子が慢性骨髄性白血病(CML)の原因であることが明らかになりました。治療として化学療法や骨髄移植、インターフェロン‐α療法などが行われていましたが、それらの効果は十分なものではありませんでした。
しかし、2001年以降にBcr-Abl蛋白を標的とした分子標的薬が登場してからは生存率が高まり、現在では分子標的薬は慢性骨髄性白血病(CML)の標準治療薬として使用されています。その後、第2世代、第3世代の分子標的薬が登場し、治療の選択肢が大きく広がっています。

1. 日本血液学会 編.造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版.金原出版.2018

2. 吉田孝寛ほか.日薬理誌 150:54-61,2017

3. 朝長万左男.日内会誌 91(7):136-140,2001

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5. O’Brien SG, et al. N Engl J Med 348(11): 994-1004, 2003

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7. Kantarijian H, et al. Blood 119(9): 1981-1987, 2012

【監修】東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野(血液・免疫科)教授 張替秀郎 先生

更新年月:2020年11月